直球入魂

 令和五年八月一日、阪神甲子園球場で開催された全国高等学校女子硬式野球選手権大会の決勝を観戦した。
 岐阜第一の先発は二年生。背番号は18。金沢市出身の彼女は、百五十八球の熱投と決勝打で準決勝を乗り切り、自ら勝ち取った決勝の晴れ舞台に立った。甲子園のマウンドからはどんな景色が見えたことだろう。
 初回に先制点を取られたものの、二回を過ぎたあたりから開き直りを見せた。変化球にやや頼りがちだったピッチングの組み立てがすこしづつ直球主体に変化していった。
 その直球の威力には神戸弘陵の主軸を寄せ付けないそんな凄みを感じた。まるで「打てるものなら打ってみろ」と言ってるかのようだった。
 味方も援護した。だが、一点を返してさあこれからと意気込んだ四回に突き放され、大勢は決した。
 彼女に賛辞を贈りたい。頑張ったねと。決して彼女の力不足ではない。相手が一枚上手だっただけだ。
 きっと次の夏は王者を倒せるものと信じてる。
 奮起せよ!女子野球部員達よ。

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