効果的なコーチングのための行動変容理論�。

『フットボールは人生の縮図である。』

我々は皆、フットボールは人生だと言う。

ゴールに向かって進んでいく。与えられたポジション（役割）を担う、主役として表現する。そして90分間常に意思決定をし続ける。

フットボールには決まりごとが少ない。そのため、多種多様なスタイルがある。

我々はどのように変化し、成長していくのか。

ディエゴ・シメオネが語るサッカーと人生 「今日を手にしても、明日はわからない」 | footballista | フットボリスタ

我々はフットボールを通じて多くの行動変容をしながら、学習している。

プレースタイル、立ち振る舞い、戦術、トレンド。

フットボールの経験が思考を変え、経験を変える。

行動変容という考え方は、「経験により生じる比較的永続的な行動の変化」、すなわち学習の心理学から派生である。

経験による行動の変化には、パブロフが発見した刺激によって誘発されるレスポンデント（応答する）行動（古典的条件付け）と、スキナーが体系化した能動的に外界に働きかけるオペラント（自発する）行動（道具的条件付け）の2つのタイプがよく知られている。

古典的条件づけ（レスポンデント条件付け）

オペラント条件付け（道具的条件付け）

行動変容に関する理論は、チームビルディングやフィジカルトレーニングなどのを行う場合、人間行動の理解に基づいて介入を設計し、評価するための強力なツールとなる。

理論を理解することは、コーチ、トレーナーの経験や直感によらない、科学的根拠に基づいた実践と戦略の提言を可能にすると同時に、取り組みを成功させる可能性を高める点からも意義がある。

本稿では、行動科学における代表的な行動理論、とくに行動変容の理論の考え方を中心に整理することで、行動変容に関わる皆さんに今後の方向性を示唆する。