【小説】ホラー映画を観た後に。 『自伝 柳葉魚の卵』より
小さな頃から、僕はおばけが怖かった。"おばけ"と呼べばいくらか恐怖が薄れるだろうから、敢えて幽霊だとか怨霊だとか、厳つい呼称は使わないようにしているくらいには恐れていた。
とはいえ、僕は創作物としてのホラーは大好きだった。映画やアニメ、漫画など、ホラージャンルは自ら進んで鑑賞してきた。
中でも、僕は都市伝説に強い関心があった。都市伝説は、それが生じるまでの過程と時代や地域に因る変移こそが魅力である。つまりは、複数の創作者が一体となって成立していく作品なのだ。
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