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ババ捨て山

北海道の都会、札幌から離れた山と海に挟まれた街に住んでいたことがある。

海と牧場、あとは山々に囲まれて私は海沿いより少し山地に入ったとこに住んでいたのだけれど、そこから更に山に入った場所には人家から離れた場所らしく、火葬場がポツンとあるだけだった。

ある日職場の同僚(と言ってもかなり年上)に言われた。

「とも、あそこは昔からババ捨て山だったんだぞ」

へ??ババってあのババ?おばあちゃんのこと?

「おう、そうだ。もう先が長くないとか動けなくなった婆様背負ってそこに捨てに言ったんだ。最近はないけどな。少し前まであったんだぞ。」

絶句。

嘘でしょ?ハタチやそこらの小娘相手にからかってるんだよね?なんか日本昔ばなしの姥捨山みたいな話だし。
そう思ったのでそれ以上詳しくは聞かなかった事をちょっと後悔してる。

ただその時「うそでしょ?」と思いながらも思わず山へ背負って入っていく男の人と、その背中に背負われてるおばあちゃんを想像して胸が痛くなった。

日本古来からのいろんな地方の風習ってあるけれど、いくら検索しても出てこない小さな地方の地元の人だけが知ってる話ってきっといろいろあるんだろうな。


今回は信じるか信じないかはあなた次第です。っていうお話。

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