私はぺぺラー #3000字に込めた偏愛 

 こんにちは。
なんだかパッとしない天気が続いているせいか鬱々とした気分になってしまう。こんな時こそ好きなものについて語って元気を貯めようと思っていたら素敵な企画を見つけた。見ているだけで満足しようと思っていたのにやっぱり書きたくなってしまい……。椎名トキさんの偏愛企画に参加させていただきました。

 皆さん、ぺぺたまという料理をご存知だろうか。
これはペペロンチーノと卵を合わせたもので、ニンニクの香ばしさと唐辛子の辛味、トロトロ半熟の卵が絡み合う最高のパスタ料理である。私はこのぺぺたまがとにかく好きで、ぺぺたま発祥の本店に何度も通い、自宅でもその味を再現できないかと常に奮闘している。1週間に1回くらいは作っているかもしれない。
今回はこのぺぺたまの魅力をぜひ皆さんにも知っていただきたいと思っている。あわよくばぺぺたまを愛するもの(ぺぺラー)人口が増えますように。

発祥

 ぺぺたまが生まれたのは福岡のラルキーというレストラン。

 福岡市には大濠公園というなかなかの広さを持つ公園があり、ラルキーはその近くに店舗を構えている。駅からのアクセスもよく、ランチやディナーに関わらず多くの人で賑わう人気店だ。
以前訪れたのはコロナ前だったため、今は変わっているかもしれないが、もしラルキーで食事をする場合、開店時間の20分前に店の前に到着することをおすすめする。予約ができないうえにかなり人気で、そこまで回転の速いお店でもないので。
ラルキーの人気No.1メニューがぺぺたまである。福岡に住んでいた時は何度も通ったが、ぺぺたま以外のメニューを食べたことがない。
このぺぺたまは、ある日来店したお客さんの「以前この店で食べたペペロンチーノに卵を絡めた料理を出して欲しい」という言葉をきっかけに作られたらしい。一瞬クレーマーかと思ってしまったのは内緒だ。
どんぶりのような器で提供されるぺぺたま、とにかく絶品!
しっかりと歯応えの残ったパスタと、強烈で香ばしいニンニクの香り。何よりトロトロの卵が本当に美味。唐辛子が入っているので若干の辛味があるのもまた良い。辛さが足りなければタバスコをかけても美味しいと思う。
器に残った最後の卵まで味わい尽くしたいなら、パスタと一緒にガーリックトーストを注文し、卵につけて食べるのもおすすめ。かなりお腹いっぱいになり、おまけにかなりのニンニク臭がするのでそこだけ要注意。

再現の日々

 まずは簡単にレシピを説明させて欲しい。

●材料
パスタ1人前: 100g
卵: 2個
ニンニク: 2片くらい
しろだし: 大さじ1くらい(塩分量を見て調整を)
唐辛子: 好きなだけ
バター: 5gくらい
●作り方
1 ニンニクをスライスする
2 卵を割り、しろだしを加えて解いておく
3 フライパンにオリーブオイルを入れ、ニンニクの香りを引き出すように焼く(焦げる一歩手前くらいまで)
4 唐辛子とバターを加えつつパスタを茹でる
5 パスタが茹で上がったらフライパンに投入し、ざっくりかき混ぜる
6 一度火を止めてから卵を加え、手早く混ぜながら弱火で火を通す
7 ちょっとべちゃっとしてるくらいで火を止めて器に盛る(余熱で少し火が入るし、卵なので生でも問題なし)
完成!!!

 実は普段分量なんて測ってないことがバレバレの雑なレシピなので、心配な方はCookpadなどを参考にして作ってみてほしい。
ここからは本場に近い美味しいぺぺたまを作るために私が実践しているポイントを紹介しようと思う。いざ、ベストぺぺたま!

ポイント1 ニンニクと卵はケチらない

 明日はデートだからニンニクは半分にしよう、などと思って量を減らしたりしてはいけない。入れすぎるくらいが一番美味しくなる。デートの前はそもそもぺぺたまを食さない方が良いと思う。
卵もそうだ。一人前に対して卵二つ分がベストぺぺたまなのだ。試行錯誤を繰り返した私を信じてほしい。もし卵が一つしかないならパスタの分量を減らすべきだし、たくさん食べたいのなら思い切って卵も増やしたほうが絶対美味しい。

ポイント2 バターは少しでいい

 バターが好きな人や濃厚な味を食べたい人はついバターを増やしたくなると思うが、私はお勧めできない。
なぜならすでにオリーブオイルを入れている状況、しかもそこから卵を加えるとなるとパスタが重くなり過ぎてしまう。加えて、バターの香りが強くなるとニンニクの良さを薄める可能性がある。だからほんの一欠片、5gくらいがちょうど良い。

ポイント3 卵の半熟加減が命

 ぺぺたまの醍醐味はなんと言ってもトロトロ半熟の卵。固まりすぎても固まらなすぎてもダメだ。
先程レシピにも書いたが、卵は火を止めてから入れ、弱火でゆっくりと加熱する。一箇所で固まるのを防ぐため、またパスタによく絡ませるために卵を投入したら常に混ぜながら火を入れていく。
そして、ちょっとべちゃっとしているくらいで火を止めて器に盛る。後は予熱もあるので気にしなくて大丈夫。

おまけポイント 分量に注意

 ぺぺたまの魅力を知ってしまうとつい大目に作りたくなってしまうが、この料理は結構重い。少し足りないくらいにしておくのがいつまでも好きでい続ける秘訣だと思う。

こんなものも見つけた

 最近知ったのだが、実は自宅でぺぺたまを味わえる商品があるらしい。

 やまやとぺぺたまが共同開発したこちらの商品。一人前970円と多少割高にも感じるが、自分では再現するのが難しい人にはもってこいだと思う。
が、九州限定商品だった。冷凍らしくお土産として配り歩くのも難しそうだ。うーん、残念。
それと、私の大好きな料理研究家リュウジさんもぺぺたまのレシピを出していた。

 やる気がない時は↓で雰囲気を味わうのも良い。

アレンジも楽しい

 先日ぺぺたまを作ろうと思っていたところ、冷蔵庫に死にかけたミニトマトを発見。これもしかして具材にしたら美味しいのではと思い、唐辛子を加える段階で一緒に入れてみると予想外にすごく美味しくなった。
トマトから出た水分と旨味が寧ろ普段より本場の味に近づけてくれているみたい。トマトの酸味が邪魔するかと思ったが、何のおかげかほとんど感じない。これはまた新たな世界を開いてしまったのでは?
名付けて「ぺぺとま」!
書いていて思いついたのだが、オリーブオイルではなくガーリックオイルにしたらよりニンニクの風味を感じられるかもしれない。今度やってみよう。

最後に

 新たな扉を開いたところで文字数も迫ってきた。ベストタイミング!
料理は好きだけれど再現レシピなどにはとくに興味のなかった私が大好きになった料理、ぺぺたま。この記事で少しでも興味を持っていただけるととても嬉しい。
そして、このような楽しい企画を主催していただき大変感謝しています。ありがとうございました。

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