035ダラスバイヤーズクラブ

#035「ダラス・バイヤーズクラブ」

主人公は、カウボーイで、酒も女もギャンブルもめちゃくちゃで、飲む→打つ→買う(以下ループ)みたいな人生を送って来たのだけれど、ある日エイズが発症していることが分かり、絶望し、仲間からも差別されてしまう。
そこから、病気と向き合い、形振り構わず密輸でも密入国でも何でもやる。
最後まで、未承認の薬を認可させるために走り回る。点滴引きずって何処へでも行く。実話を元にした作品。

人のために素晴らしい働きをした人の話は、自分の駄目さみたいなものを突きつけられて、観たあと結構反省して落ち込む。
この映画の主人公は、人のため以前に自分の人生の為に。そして他人の為にも平等に熱く命を燃やすので、見ていて凄く元気をもらう。
ただ綺麗なだけではない描き方に、気がついたら私が救われていた。
病気の為に奔走する様になって出会う人たちとの関係に、はっとさせられる。本当に支え合うってこういうことかなと思う。どちらかと言うと、ドライな関係。そして、とにかくパワフルでエネルギッシュ。時間は限られているのだ。
前向きな生き方は、人を引きつけるし、きっといつか理解される。

マシュー・マコノヒーとジャレッド・レトのゴリゴリの痩せ芸(と言わせてもらう)が注目されているけれど、はい、ここまでやられたらもう注目せざるを得ません。
映画の冒頭から末期なので、どあたまからがっつり痩せているんだけれどそこから更に削ぎ落とされていく。
ジャレッド・レトが、私欲の為ではなく主人公の為に、自分の全てを投げ出して行動を起こすシーンが、胸に迫る演出になっていて、いつも明るいるゲイの役なのだけれど、その人の本質や繊細さが見えてとても素敵だ。
彼らは自分のアイデンティティを越え一緒に歩む、愛の人なのだ。

どんな時も、一人じゃないって素晴らしいこと。