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#073「ザ・スクエア 思いやりの聖域」

意地悪だなぁー。と思う。
とにかく出てくるやりとり全てが、絶妙な分量でフィクションに踏み込んでいて、ギリギリドキュメンタリー的な居心地の悪さを感じられる設計。
そう感じる自分に対しても色々思うところがあって、その事自体、とても居心地が悪くて、監督は意地悪だなぁと思う。

Bunkamuraでポスター見たときに、現代美術のおしゃれでソリッドな映像なんだろうな(実際にそう。)と思ったのだけれど、予告編を見たら、おやおやこれはやばそうだぞ(実際にそう。)と思った作品。
リューベン・オストルンド監督は、インタビューで「人をイライラさせたい、嫌な気持ちにさせたい」とのことなので、これで良いんだ(笑)という謎の納得感。
台詞の無い部分での意図の伝え方とか、ほんと秀逸。
自分が何故分かるのかが分からない。みたいなところが沢山あった。
エンディングの、こいつ駄目だな感とか。お前もな!!的なところとか。
『フレンチアルプスで起きたこと』はまだ観ていないので、観たいなー(観たくないなー)と思う。

人間て狡くて弱くて、インチキだけど、それを俯瞰したら等しく滑稽な存在で、それを笑って認められたら人生は少し面白おかしいものになる。
でも人はみんな等しく悲しくて、少しだけ優しくなれるのかも。