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*019 本を作ってイベントに参加した

本を作ってみたかった。もし自分が本を作ったら、それはどんなものになるのだろうと思っていた。本の中身がどうというよりは、多分、物体としての本に興味があって、ずっと製本をしてみたかった。作ってみないことには、それがどういうものになるのかを知ることは出来ない。

2018年から橋梁塗装記録表記録部というアカウントを運用していて、特に目的も無く、とにかく橋梁塗装記録表を見たら集める。ということをし続けている。橋梁塗装記録表は恰好良いぞ。
https://www.instagram.com/color_sample_/

資料性博覧会という資料性の高い本が集まるニッチなイベント(panpanya先生がずっとポスターを描いている)があって、ずっと行ってみたいと思っていたのだけれど、ふと、出れば良いのでは?となり、応募して、先日出展に漕ぎ着けました。

ずっと何か作ることを仕事にしてきたけれど、自分のものを作るということは殆どなかったので、今回はやりたいことを全部詰め込んで、制作期間に試したいことは全部試そうと思った。
途中で製本にまつわる古い本を読んだり、ZINEを扱っている本屋さんに行ったり、海外のZINE制作のアカウントとかも見て、みんな好きなこと詰め込んでるなー!という気持ちを盛り上げたり(笑)もした。

試作も随分した。
せっかくなので、In Designで入稿してみる。
初めての刷り上がり、嬉しかった。
中綴じをバラして、綴じ紐は墨出し糸と決めていました。
リスト化する際に調べた塗料についてのメモを収録。
ナイロン性の糸は半田ごてで溶かし切るとうまくいきます。

内容が内容なので、さっさと入稿して製本のことばかり悩んでいた気がする。制作部数が一番分からなかった。半年くらい、何部刷ればいいのー!と言っていた気がする。
制作期間中、ずっと楽しかったな。幸せだったな。

イベント自体が凄く良くて、規模的にもジャンル的にもハードコアなのに穏やかな雰囲気で、出展者の人たちは歴戦の猛者という感じで、面構えが違う。とても勉強になったし、みんな格好良かった。
出展者として並べて光栄でした。
思った以上に沢山の人が立ち寄って手に取ってくれて、目の付け所を褒めてくれたり、「ニッチ過ぎる」と言ってくれたり。無言で中も見ずに買ってくれた人には、何故?これで本当に大丈夫なの?とか思った。
写真や製本を褒めてくれる人が沢山居て、意外でとても嬉しかった。私が思っていなかった理由で買ってくれた人も居て、とても面白かったし、勉強になった。若い人が自分が撮り溜めているニッチな写真を見せに来てくれたりした。本、作ろうぜ!

人の前に出るのは怖いし、個人的な制作上は必要ないと思っていたけれど、自分の作ったものを持って外へ出ることでしか出会えない人や場があるのだと理解した。作ったものを置いて人とコミュニケーションを取れることは素敵なことだ。自分には分からないものをに魅力を感じ、情熱を傾ける人がこんなに居るなんて、世界はいいところだなーと思った。

手に取ってくださった皆さま、資料性博覧会に関わられている皆さま、ありがとうございました。またいつか、お目にかかれたら嬉しいです。