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#094 「ゴーストワールド」

自分と世界との折り合いが付かなくて、周りはうまくやれている(様に見える)のに、どうして自分はこうなんだろう。みんなはこの世界を楽しめていて、自分ばかり問題を抱えていて、必要以上の孤独を感じる。

若い頃に、こういう気分から抜け出す、元い、薄めたり誤魔化したりする方法を見つけ、それを自分に許せる様になっていくまでに、すごく時間が掛かった気がする。とにかく苦しかった。多分、誰もが。
でも、その時期にしか無かった、持て余す程の彩度の様なものを持ったまま、どこまで行けるだろうか。と、思った。

観ようと思っているリストの上位にずっとあった映画で、昨今のリバイバル特集のおかげでスクリーンで観ることができて、嬉しかった。

若い頃の、残酷で悲しくてちっぽけで無敵な気持ちは、今でも微かに思い出せる。今になってみると、自分の動機は、その普段は忘れている様な感覚に依るところがあって、その頃の自分が、今の自分を勇気づけ奮い立たせてくれていると感じる。
だから、何もかも上手くいかなくて、自分の良いところにも気付けないでいる主人公のイーニドを、傍で励ましたくなる。きっと彼女もあと少しなのだ。大丈夫だから、頑張って歩いて行こうよ!

あと、性別や年齢って物凄く邪魔な時があるよねーーーー!!!と、やっぱり思う。自分が10代や20代の女でなければ。と、心底剥ぎ取りたかった瞬間を、はっきり覚えている。
絶対分かり合えたはずの大事な瞬間を、性別や年齢のせいで苦々しく見送った経験は、誰にでもあるのではと思っている。性別のせいじゃ無いのかも知れないけどさ。