第五章 水源

 ガザは目を覚ますと、見慣れない天井に戸惑った。パチパチと瞬きをして頭を振ると、前日のことが一気に蘇る。
「んん、あ、ガザ。おはよう」
 マーサも木漏れ日のように差し込む朝日に起こされたようだ。
「結局獣にも襲われなかったし、村人に殺されることもなかった」
 老人を疑ったことを噛みしめるようにマーサが顔を暗くする。ガザは努めて話題を変えようと家を見渡し、ふと扉の隙間から覗く目を見つけた。

ここから先は

11,778字
この記事のみ ¥ 100

いつもありがとうございます。執筆のエナジーチャージのためいいなと思ったら「スキ」していただけると幸いですー(*'ω'*)