第七章 能力と惨禍~始まりの記憶~(ガザ)

 話はガザが靄の処理を老練の狩人たちに任せて村に向かって走っている場面に戻る。
 イーという、放った矢は生涯一度も的を過たなかったという伝説の持ち主である引退した狩人たちのまとめ役の男は、リョウに手を引かれて走るガザの背の向こうで丹田に力を込め、なにやら集中を高めている。
 そのイーの背がとうとう見えなくなり、木の根が這う道を走り続けては村の中心部がそろそろ見えてくるかというころ、リョウはハッと息を呑んだ。

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