第六章 帝国の真意(マーサ)

 あれほどの衝撃を受けていながら、サーリはマーサよりも早く我に返っていたようだった。彼女は周りを注意深く偵察して、的確な情報をマーサに伝えた。
「ここは帝国領内のようだわ」
 一族が攻められたときに徒歩の帝国兵が用いていたという戦場旗が、小さな壁の穴から外を見たらあちこちに掲げられていたという。

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