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顔認証誤登録が他人事じゃない5つの理由

今では町のあちこちで見かけるようになった防犯カメラ。住宅などにつけられる理由としては「カメラの前で悪いことはできないだろう」という抑止力的意味合いが多いと思います。

その抑止力はある程度役に立っているでしょう。ご近所トラブルの予防や早期解決に効果があります。しかし、問題は店舗などに導入されている「万引き防止顔認証システム(仮)」にあります。

「は? 俺万引きなんてしねえし。犯罪者擁護の記事でも書くつもりか」
そう思われた読者の方、ちょっと待って!

見知らぬ人間に恨まれてないと言い切れますか

SNS空き巣って最近あるらしいですよね。

SNS上でお金持ちらしい人を探し、その人が家を留守にする時間帯を投稿から推測して、位置情報だだ漏れの投稿から住所を割り出し、自宅に押し入る。

「夕食こんなの食べたよー♪」という投稿に添付された写真に、ちょっと高額な時計が映っていただけで、狙われてしまう可能性がある時代です。SNSがもたらした功罪のうち罪の方でしょうか。

SNS空き巣で盗まれるのはお金ですが、妬まれている可能性も誰にもあります。

他人の不幸は喜々として話すのに他人が幸せなのは許せない人種、いますよね。そういう人に故意に顔認証システムに登録されてしまうと、後述するような恐ろしいことが起きてしまうのです。

端的に言えば、一部の顔認証システムは私人が一般人を裁く私刑と化している可能性があるのです。私刑の何が怖いか、それは職務として人が人を裁く裁判と違って、罪に対する罰の妥当性が議論されないことと、容疑者への反論の余地がないことです。

システムの欠陥とシステム管理者の傲慢

抑止力のために、刑事ドラマやニュースでは顔認証システムによる犯罪検挙や犯罪者の断罪を取り扱っていますが、本当にそううまくいくでしょうか。

第一、刑事ドラマの犯人役って防犯カメラにわかりやすいように顔を向けすぎじゃないですかね?(笑)

人混みにまぎれ横顔をほんの一瞬しか映らなかった人間を、本当に既存の情報と照合できるものでしょうか?――まあ、それはそれとして。

仮に既存の「要注意人物」の情報と顔認証システムが得た情報を照合する能力に疑いの余地がないとして、その最初の要注意人物の情報を登録するのは誰でしょうか?

顔認証システム誤登録による冤罪を訴えている方の多くが、同じポイントカードを使っている店舗での過剰な防犯行動に悩まされています。わかりますか? 一部の店舗の無責任な店員に登録された情報が、関連企業や店舗に瞬く間に共有されてしまうのです。

公の機関ではなく私企業の1つにすぎない会社のうちの、それもバイトやパートで冤罪に責任を持てない人たちに、ちょっと気に入らない客だとか、いつも幸せそうで妬ましいとか、同じ時刻に発生した万引きの犯人に勝手にされてしまったとか、そういう理由で全国ネットのシステムに登録されてしまうのは、考え得る影響に対する、システム登録者個人の責任が少なすぎます。

話は変わりますが、ファミマなどで使えていたTポイントの運営会社が使用者の情報を勝手に警察に流していた事件を覚えておられるでしょうか?

運営会社のCCCは、「弊社としては犯罪者が捕まることでよりよい社会に貢献できるのではないかという思いがあり、捜査に協力してきた」とコメントしています。

散々言ってきましたが、一般企業にすぎないCCCが、規約にも明記せず、客観性のない「要注意人物情報」を警察に流していた、これは重大な問題です。

万引き防止などの目的でポイントカードの情報と防犯カメラの情報を結び付けている会社があれば、今すぐにやめてください。それにより重大な人権侵害が発生しています。

行ったことのない店舗でも警戒される恐怖

被害者の方々が口々に訴えるのは、同じポイントカードの系列の会社というだけで行ったこともない地域の店舗に入ると、様々な嫌がらせを受けるという事実です。

例えば緊迫した館内放送とともに、何も身に覚えがない自分のもとに警備員が怒涛のどとく押し寄せたり、警報音が鳴ったり、普通のスタッフにあからさまに敵意を向けられたりするということです。

犯罪を犯していなければ警戒されることもない、それは嘘です。前述したように、間違った個人情報の取り扱いに対して責任を持てない末端の店員が、ミスや私怨により登録した「要注意人物情報」が、ポイントカードで紐づけされた全国各地に瞬く間に共有されます。

犯人じゃないからこそ嫌がらせは続く

冤罪の何が怖いというと、本当の犯人をご丁寧に逃がしてあげた上で、何の関係もない無実の人間の人権を奪ってしまうことです。つまり、二人の人間が受けられたはずの(受けるべき)人生を狂わせているんです。

また、無事に逃亡できた犯人は各地で同じ犯罪を繰り返すかもしれません。

万引き犯と間違われたパターンでの顔認証誤登録の怖いところはここにあります。つまり、犯人でありえないのだから永遠に批判にさらされ続け、犯人ではないのだから罪を償いリセットすることもできません。

顔認証システムにより犯罪の決定的な場面が捉えられた人間は警察に逮捕され司法の裁きを受けることになります。しかし、冤罪の被害者は万引きなどしていないのだから警察には捕まりません。それなのに、システムにはずっと情報が残り続けます。

しかも、被害者さんたちがシステム管理者に問い合わせたところ誤登録の情報をしかるべき手続きの末に削除すると回答したところはないんじゃないでしょうか。

そして、誤登録をした店員ではない一般の店員はシステムの善性を信じ切っている節がありますから、「「要注意人物」であるはずの人間がまだ捕まらないのか」と憎しみを募らせてしまいます。

やったことのない罪で一年中、三百六十五日責め続けられる苦しみは耐えがたいものがあります。

誰にでも起こりうる問題

顔認証システム誤登録による冤罪は、誰にでも起こりうる人権問題です。

いつどんなことで人に恨まれたり、たまたま万引きが起きたと思われる時間帯にカメラに映っていたという偶然から犯人扱いされたり……

犯罪なんて犯したことはないしこれからも犯すつもりはない、だから自分には関係ない。それはあまりにも危険な考え方です。

あなたが「無実であるからこそ」、取り消されない偽りの記録とともに自身の顔画像が永遠に残り続けてしまいます。

顔認証システム誤登録による冤罪を知ってください。私企業による私刑は許されません。

春瀬由衣

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小説家になろう・エブリスタ・カクヨムでアマチュア小説家として活動中。 本業は理系の大学生。 ヘッダー・アイコンはこちらよりいただきました。https://herobunko.com/news/10082/
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