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すばらしい非日常を体験しても、日常を大切にできない人生は、豊かじゃない

海外旅行行きたい熱の発散の仕方

海外旅行が大好きだったのですが、妊娠出産とパンデミックの影響で、すでに3年以上を海外旅行に行けていません。私が旅行好きであることをよく知っている友人や知人から、旅行熱をどうやって発散しているの? と聞かれることがあります。

そのことについて考えてみた時、旅行中に出会ったたくさんの人たちから学んだ生活の知恵を日常の中でしてみることで、毎日の生活を旅の最中のような新鮮な視点で見つめ直すことをしていると気がつきました。旅で出会った人たちから学んだことを書いていきたいと思います。

シンガポールで出会った Y さん

7年ほど前にシンガポールを旅行したときに、 友人の紹介でシンガポール在住のYさんという女性のお家にお邪魔する機会がありました。 Yさんは 日本人ですが、 幼少期から様々な国で生活をしており、 マレー系アメリカ人のご主人と共にシンガポールにお住まいでした。当時2歳のお子さんを育てながら、インターナショナル企業のプロジェクトマネージャーをされていました。

お家に伺った時にとても印象的だったのは、食事をとても素敵なテーブルコーディネートで出していただいたことです。つや消しのゴールドのプレートに、アジアのヴィンテージ風のランチョンマットという組み合わせで、肩の力が抜けた感じはありつつも思わずため息をつきたくなるような素敵さでした。隣の部屋では子供たちが大騒ぎして遊んでいましたが、その食事の空間だけ素敵なレストランに来たような気持ちにさせられたものです。

「小さいお子さんがいて、さらにお仕事もすごく忙しいのにこんな素敵に食卓をコーディネートしていてすごいですね」と言うと、「食事は1日に3度あることで、それを楽しむかそうでないかで積み上がった時の人生の満足度が全く変わってしまうから」とおっしゃっていました。

すばらしい非日常を体験しても、日常を大切にできない人生は、豊かじゃない

それまで年に数回の海外旅行では人生を思いっきり楽しもうとしていたのに、日常生活では忙殺されて散らかった部屋がデフォルトだったり、 割れない食器を使うということが当たり前だった自分は、 だいぶアンバランスだなと気がつきました。 どんなにすばらしい非日常を体験しても、日常を大切にできない人生は、豊かじゃないなと。

帰国してからすぐにしたことは、ずっと欲しいと思っていたポーランドの陶器のお皿を5枚セットで買うことでした。当時の私にとってはかなり高価なものでしたが、使うたびに嬉しい気持ちになりました。洗うときも意識せずとも大切に扱います。 そういうことが食事のたびに起きるので、結果として安い出費だったなと思います。

大切なお皿を割ってしまったら悲しいと思い、私は金継ぎを学び自分でできるようになりました。でも、7年使った今も子どもたちは1枚も割っていません。


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