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プロクラブに恋して④

いらっしゃいませ

ベビーピンクの照明があやしくゆらめく店内。呼び込みのギャル男くんが明かりの向こうへ手を向ける。蛾のように誘導されて席についた。おしぼり、灰皿。

「よろしくお願いしまぁす」隣に舞い降りたのはショートツインテールの女の子。眉まで隠れた前髪。くっきりアイライン。きゃりーっぽい。水割りを頼むと彼女はうなずいて、まるで演舞のような所作でグラスを操った。

「どこかお店寄ってきたの?」慇懃にグラスを置いて、彼女は切り出した。「一件飲んできて、その後呼び込みに引っかかってね」きゃりーは興味なさそうに笑った「そなんだ」

呼び込みのギャル男くんに向けて乾杯をあげた後、他愛もない話をはじめる。毎日暑いね云々。彼女は19歳だという。何を話題にしようか目を彷徨わせてたところ、テーブルに置かれた彼女のスマホを見てオレは声をあげた。

「そのスケジュール・・・」

REOREO CUP
 第1戦 〇月〇日 23:00~
 第2戦 〇月〇日 23:30~

液晶画面に貼られたメモに釘付けになる。「あーこれ?」彼女は困ったような顔をした。「何だかわからないよね」「わかります!FIFAプロクラブのREOREO CUPですよね!僕のチームも参加します」

目を丸くする彼女「え、どこのチーム??」

まどろんだ空気から一転して盛り上がる二人。キャバクラで隣り合った女性が、まさかのREOREO杯参戦チームのプレイヤー。「FIFAやっている人と会うなんて・・・興奮して喉渇いちゃった」

きゃりーは大げさに喉のあたりをさすった「飲み物頼んで、イイ?」

うなずくと彼女は僕の腕に絡みついてお礼を言った。

これが後のチームメイト、右ウイングの支配者”ツインテステップ”エリカ・デ・マリアとの出会いだった。

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誰も読んでいない可能性が高い謎小説。次回からチーム合流編。主人公「僕」が出会った女性たちが一同に会します。

・ドリブラー”青い稲妻”アヤマール
・1人カテナチオ”豊満な壁”SUI
・漆黒のファンタジスタ”黒蝶”モカリッチ
・右ウイングの支配者”ツインテステップ”エリカ・デ・マリア

数少ないマニアックな読者(いるのか?)のために、今後も『プロクラブハーレムもの』という謎の新境地を切り開いていきまし。