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じゃじゃ馬トーナメント2(合流)

ゆっくりしてたら時間なくなって
お昼食べてないっ、お昼食べてないっ

有楽町線、新木場行。車体に寄りかかり、友人Tに泣き言LINEを入れてから本日の対戦カードに想いを馳せた。

第1試合は YUNAvs鈴木ユラ。初見のYUNAさん、顔が好き。鈴木ユラさんはアイスのリングで何度も見ている選手。卓越したサブミッション、迫力の蹴りでトーナメントを牽引していくに違いない。

第2試合は炎華vsゆづき。先だって行われたヤングオーオーも同カード。そのときは時間切れ引き分けでストップ。小柄な炎華さんがBIGゆづきさんに立ち向かう構図はわかりやすく、会場の後押しが炎華さんに偏る懸念がある。シュシュでは応援される側なのに逆の立場になるゆづきさん。とはいえ体格差を活かして危なげなく仕留めてくれるはずだ。そんな空想をしている内に車窓は藍鉄色からカナリア色に溶けて、終点新木場駅へ。

立ち食いそばをかきこんで約束の18時。改札横のC&C前で友人Tと合流。本来わしは平日の試合に行くことはない。しかし今回は彼の誘いに揺れて代休を取り、金曜夜に行われるじゃじゃ馬トーナメントの観戦を決意したのだった。

彼の目的はゆづきさん。彼の描くゆづき戦記は、精密画のような緻密さと印象画の存在感があり芸術的だ。千春代表のように彼女にビビビと来たのだろう。ゆづきさんに対する情動がまっすぐで、真剣で、清々しい。一方自分の目的はYUNAさんである。アイスリボン箱推し勢のわしが他団体選手に目を向けることはありえないのだけど、YUNAさんは可愛い(は?) 友人と一緒にゆづきさんを応援する体を装って、実はYUNAさんを撮ることしか考えていないのである。

しかし待ちに待った大会の直前なのに、ローテンションでチベスナ顔のまま固まっている友人T。「どうした?」「ゆづきさん、丸め込まれて負けてしまうのではないかと心配で心配で」わしは肩をすくめる。「体格差から考えてもそれはないでしょ」彼はため息をついた。「どうしても、悪い方に想像してしまうんだ」

(続く)