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今のアイスリボンに思うこと

アイスリボンを知ったのは2015年頃。
当時スターダムに参戦していた世羅りさの所属が『アイスリボン』だったことがきっかけ。以来、大晦日の大会は毎年観戦するようになった。

観戦頻度は少ないし、選手のツイッターとか知らない。全然コアなファンではないわしでも、2021年のアイスリボン所属選手大量離脱のニュースは衝撃だった。主軸を務めるレスラー達が居なくなり、さらに次世代を期待されていた選手の引退発表が重なる。サッカーでいうと、11人のスタメンから8人が急にいなくなった感じ。ただでさえ詳しくないのに知っている選手のほとんどが去る事態。「もうアイスリボンはダメだろう」界隈ではそんな空気が広がっていた。

アイスリボンへの関心が強まったのは逆にそこから。毎年楽しさをもらっていた団体が凋落していくイメージが飲み込ない。もっと自分の目で確かめたい。

CMLLから来日参戦したステファニー・バッケルに惹かれたこともあり、8月9月のビックマッチを連続観戦。あれ、アイスリボンやっぱりめちゃくちゃ面白い。いぶき大きくなっとる。初めて見るけれど朝陽、石川って何かいい選手。他団体からの参戦も多いけれど、バランスよく融合している感じ。選手が変わっても、楽しさは変わっていないような。

大晦日の大会も活況があり「やっぱりアイスリボンは安泰」を確信。真白は引退したけれど、このときの朝陽はまさに希望のサンライズ。ベルトまであと一歩の躍動に胸を躍らせたファンも多い。しかし―

年明けから、そのエース候補に不穏な影が見え始めた。詳細はよくわからない。アクトレスとの関係もよく知らない。でも明るく快活な彼女が、時折アイスリボンに対する不満を書き記すようになった。

そんな不安要素が気になったけれど、その頃からわしは道場マッチの観戦に加えて、PPV、メンバーシップの視聴もはじめて、より深くアイスリボンにのめり込んでいく。(半分は柏レイソル絶不調のせい)

石川奈青選手

照れて寄れなかった物販にも顔を出すように。

わし「CD買います」
石川「100億円です」
わし「あ、はい(小声)」
石川「1万回聴いてくださいね」
わし「あ、はい(小声)」

選手とのコミュニケーションもばっちり(?)

群馬で開催された覆面リボンも大盛況に終わり、改めて「やっぱりアイスリボンは安泰」と安心していた数日後— 石川奈青退団、朝陽レンタル移籍の報が流れる。

冒険家スタイルで会場を思いきり盛り上げていた石川と、一番人気がある朝陽が。よりによってアイスリボン愛が深い2人がどうして。主な理由は社長への失望だと内情を赤裸々に容赦なく発信してくれた。安泰だと思うと事件が起こるアイスリボン。この繰り返し。今度こそ終わりだと外野は騒ぐ。

プロレス団体は選手と社長だけではない。スタッフ、レフェリー、コーチ、観客、OB、歴史など、色々な要素が重なって今がある。自分がアイスリボンに惹かれるのは、天色のアイコンの元に流れるアイスリボン全体の雰囲気が優しいから。入門者にも他団体にも観客にも、全方位的に門徒を開けて風を通している心地よさ。この柔らかな世界観は、関わる方々のプロレス愛、アイスリボン愛からもたらされているものだと感じる。後ろ向きなぬるま湯ではなく、時に熱くなり、時に冷えて、しっかり適温に落ち着く。『プロレスでハッピー』のフレーズの元で受け継がれてきたレガシーは消えていない。

先日の後楽園ホールでメインイベントを制したトトロさつき。逆境を糧にしてプロレスで観客を魅了した。誰よりも成長が伺えて感動した選手。すべての不安を吹き飛ばすような試合だった。

やっぱりアイスリボンは安泰だ。