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自転車ソロキャンプ実践

「自転車で来たお客さんははじめてです」スタッフが驚きの表情で出迎えてくれた。オープン間もない RED ROCKキャンプ場は家から約20数kmの場所にある。浅緑と天色の水田が続く農道をひた走り1時間半で到着。重装備を載せたマイMTBは平気な顔で走ってくれた。受付を済ませると、テント設営は後回しにして早々に生ビールを注文。瞬間で飲み干して返す刀でハイボールを注文。お昼のカレーヌードルと共に吸い込まれていった。

ウッドチップの敷き詰められたキャンプ場は快適そのもの。地べたに足を投げ出してもカメラを転がしても汚れることがない。設営して薪を裂いて準備を整える。しかし、昼から飲むと頭痛が痛くなる悪癖をすっかり忘れていたわし。すきっ腹に流し込んだのもよくなかった。頭痛の兆候が出てきたのでマットに寝転んで仮眠。

夕方目覚めると調子が戻った気がして焚き火開始。着火して間もなく再び頭が痛い。今度は本格的にきた。キャンプ場において最も虚無な時間は、眠るわけでもなく、本を読むわけでもなく、川のせせらぎを聴くわけでもなく、ただ痛みをこらえて横たわって我慢していること。眠ってやり過ごしたくても、先程仮眠を取ってしまったし、痛みが気になって眠れない。毎回昼飲みで苦しんで(若くないし肝臓の検査にもひっかかっているから止めよう)と猛省したはずなのにまた繰り返してしまった。このまま痛みが収まらなかったらどうしよう。焚き火を愛しみ、夕食をこしらえて楽しむ緩やかな夜が全て終わる。同じ苦しみだったら家で唸っていた方がマシだった。隣のテントから聞こえる家族の談笑がうらめしい。薪を継ぎ足すのは止めて、シュラフにくるまって目を閉じて―

気づくと23時。結局かなり寝た。嵐のあとの青空のように、痛みが完全に抜けている。しっかり眠れてむしろ快調。今からやれるやん。焚き火を灯して小型の鉄鍋をセット。油を多めに挽いて十分温めてからプルコギ(出来合いのもの)を流し入れる。夜中のキャンプ場に爆ぜ渡る焼き肉のいい音。続けて得意の(2回目だけど)納豆アヒージョを錬成。ワインと共に(え?)いただいて遅れを一気に取り戻した。頭痛なんてなかった。

翌朝もいい天気。目玉焼き、朝コーヒーと経て、薪を燃やし切って後片付け。どうなることかと思ったけれど盛り返して最高の一夜に。自転車キャンプはお酒と料理の美味しさを倍増させることがよくわかった。『お酒は夕方以降』この鉄則を胸に、またタイミングがあれば挑戦しよう。