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面談できる時点で8割終わっている

おはようございます。

私は、大学院生時代に
農村開発の研究をしていました。


研究には現地調査が不可欠。
それでベトナムに留学もしましたし、


たくさんの現地調査に
同行させてもらいました。


結局、私は調査は好きでも
研究には向いていないと実感、
そちらの道は諦めたのですが、


当時叩き込まれたことの一つ。

「調査開始時点で8割終わっているんだよ」


という言葉が、
今でも頭に残っています。


ベトナムの村落で、
何か調査をしたいとします。


当然、外国人が一人で
いきなり行っても相手にされません。


ベトナムは、1993年にようやく外国人の
移動が自由化したお国柄。


外国人が地方にこもって何かしているだけで
「スパイじゃないか」
「何か悪いことをしているんじゃないか」


といった疑念を抱かせてしまいます。


ですので、
まずはベトナムのカウンターパートを
確保しないといけません。


多くは、現地の大学です。
大学の先生を通じて、
地方に顔を繋いでもらうのです。


ベトナムの行政単位は、
日本の県に相当する省、その下に郡、
更にその下に「社」と呼ばれる村があります。


ですので、まずは省に調査の打診をし、
省から郡、郡から村と話を通してもらって
許可をもらいます。


最終的には村のお役人に
調査の趣旨やスケジュールなどを
渡して、相談に乗ってもらい、


インタビューを受けてくれる人を
紹介してもらったり、
資料の提供をしてもらったりします。


最初の頃は、地方の役人や公安が
インタビューについてきたりします。


怪しげな内容でないか、
変な行動をしないか、
チェックするためです。


たかが学生の調査だと、
納得すると来なくなります。


ですので、調査を始めた時には、
必要なところには既に話が通じていて、


「この人が現地に来ても多分大丈夫だろう」
と思われる程度には、
信用されているわけです。


逆にそれができなければ、
調査を始めることもできない。


自分でやってみて、
初めて実感しました。


たかが学生の論文を書くための調査ですが、
自分1人の力では何もできない。


自分以外の人に頼って、
自分の信用力だけでは足りないので、
自分の指導教官の信用力などもお借りして。


色々な人の時間や信用を使わせてもらって。
手続きの過程で自分の真剣さや誠実さも試されて。
それで、ようやく実現するわけです。


私はそれまで、
やや薄情というか
効率重視なところがありました。


要するに、子供だったんですね。


信用を積み重ねるという感覚が
ありませんでした。


留学中も、
大学の用意している留学生寮に、
普通の学生は最初入るようでしたが、


「外国人ばかりの寮に入っても、
留学の意味がないんじゃないの?」
と思った私は、


1日も留学生寮に入らずに、初日から
ベトナム人家庭の下宿に入ったり。


大学の語学センターの授業が
あまりにつまらなかったので、


早々に受ける授業数を減らして、
外部の先生に
個人レッスンをお願いしたり。


翻訳作業に夢中になって、
2週間まるまる、
授業を休んだこともありました。


当時、語学の上達のことしか
考えてなかったんですね。


実際、効果はあったと思うのですが、
こう書いてみると、
徹底的に可愛くないですね。


少なくとも、
大学と信頼関係を作るという意味では
NGとしか言えない。


当時は、そんなこと気にもしていませんでした。


それでも叱りもせずに
私の指導をしてくれた先生方には
感謝しかありません。


(日本の指導教官からは相当怒られました)


さてこの教え、調査だけでなく、仕事など
たいていのことに通じると思っています。


会いたい人に会えた時には、
8割方済んでいる。


逆に言えば、
その前の電話やメールのやり取りや
事前準備などから、
信頼関係作りは始まっている。


そこで信頼されなければ、
会って話すところまですら、
辿り着けないのかなと。


そして、会って話して調査して。
その最終的な目的は、


「また、次もおいでよ」
と言われることだ、
とも教わりました。


その場で成功することではないんですね。
また会いたいと思ってもらうこと。


時々忘れてしまうこともありますが、
肝に銘じて仕事をするようにしています。


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