見出し画像

CR1…子育ては親育て

私は37才で初めての出産をしました。
結婚が遅かったというのもあります。

36才で結婚、37才の初めての結婚記念日に出産。妊娠期間は『トツキトウカ』と言われています。少しの間妊娠しなかったのか…と思うかもしれませんが、実は逆なんです。

これは、現在いたずらっ子な息子君の『前』の子のお話…

結婚後、35才を過ぎているので高齢に入る年齢だったのですが、思いの外すぐに授かることが出来たんです。その頃は、時間こそ減ったものの仕事もまだ普通にしていたので、生理が遅れた…となれば検査薬を購入→試していました。

…といっても、普段から少し不順気味だった私には今思えばあまり意味がなかったのかも知れませんが…

3月27日に結婚して、5月半ば少し前に検査薬が反応。そうして総合病院の産婦人科に向かいました。ここの病院内のコンビニで働いていたこともあって仲の良い先生も居たし、出産とは別に手術経験もある。罹っていたこともある。諸々の理由からここにやって来ました。

問診票を書いて、少し待っていざ診察へ…

色々と聞かれて、直ぐに内診台へ。

『ちょっとごめんね?器具入るよ?』

その言葉にドキドキしていたのを今でもはっきり覚えてる。しかし直ぐに、カーテンを開けられることもなくあちらで話をしますとのこと…
着替えをして、戻った診察室で聞かされたのは

『胎嚢が変な形をして居る』

とのこと。初めての子だったので変な形も、普通な形も良く解らなかった。先生に聞けば、普通と言うのは丸みを帯びた、もしくは丸に近い楕円形だと言う。その時の私の胎嚢は、そら豆を少し長細くしたような形だった。胎嚢の中に胎芽も見当たらない。まだ早かったのかもしれないからと言うことで少し間を開けて再診になった。

心拍もなく、胎芽も見られない…心配や不安以外の何物でもない。検索魔になりました。

病院では恐らく6~7週くらいだろうと言われたからその前後を含めて、それはもう良く調べました。

そして5月下旬少し前…
再診をしてもやはり胎芽、心拍ともに見つからない。胎嚢は少し大きくなっているもののいびつなことには変わりなかった。

その再診から2日後…
兄の車で母と3人、買い物ついでに立ちよったとある100均で、用事を済ませて車に戻った時…ちょうど感覚的には生理の2日目の酷いレバー状の物が降りる感覚があった。

『オリ物でも下りたかな』

その時はそんな風に考えていました。そして買い物に立ち寄ったスーパーのトイレ…座ろうと下着を下ろした瞬間だった。にぎりこぶしくらいの大きさより少し小さいほどの塊がズルリと流れ落ちたんです。

痛みなんて全くない…下腹部の気持ち悪さもない…ただ、重さで、便器の水溜まりのそこに落ちていった塊から滲み出た薄赤い色が、やけにはっきりと『これはマズイ』と瞬時に思わせた。

兄に連絡して、母と一緒に直ぐ様病院へ…ドッドッ…と鼓動だけが異様に高鳴った。

看護師の方にうまく説明できたかは解らない。でも先生が来て、内診台に乗り、器具が入った瞬間だった。カーテンが開いた。

『見て解るかな…胎嚢がね、きれいさっぱり無くなってるんだよ。』

頭が上手く回らなかった。なんで。どうして…だけがただグルグルとバカみたいに回ってた。何が悪かったの?そんな思いばっかりが回って、『写真は、要らないね』って言われた。エコー写真が要る要らないより、私の中にもう赤ちゃんが居ないってことの方が上手く整理がつかなかった。

母も兄も、大丈夫、また出来る!って言ってくれた。それでもそんな言葉なんて耳に入らなかった。彼に連絡して、帰ってきた時に『大丈夫?』って言ってくれたけど、その言葉もどこか空を切った。

涙が出た…悔しいでも寂しいでもなく…ただ、なんでか解らないけど、止め方が解らないくらいに無き続けた。

泣いても戻ってこないのに。。
初めから決まってたかの様に心拍も見えなかったままだった…

それから次の再診にはまた内診があったけど、先生が驚くほどにきれいな子宮に戻っていた。大抵カスが残っていたり、血の塊が見えたりするみたいなんだけど、本当に掃除でもしたかの様にきれいに無くなっていた。

この状態なら次の生理か4w後には妊活再開できるよと言われた…

まだ気持ち的にぽっかり空いた中でも普通通りに過ごすことを目標にして居た。

それから私の誕生日も迎え、37才。『あの子』を忘れた訳じゃないけれど、1人でもいい…子供がほしいと願っていた。
でも、色々な弊害が出てくる年齢だ…妊娠もしにくくなる…そんな事を考えながらも8月には、今の息子君を授かった。

命って、儚いんです。だけど、その分すごく強い…そして、子供を授かる、産むってことはすごく奇跡の塊なんだって、教えてくれました。
ママのお腹の中で育てるトツキトオカは奇跡の連続なんだって思いました。

途中で消えた命だって、それが運命なんて決めるには烏滸がましいくらいの事。運命なんかじゃない、産まれる前から寿命が決められていた。それだけなのに、失って良い命があるなんて思わないで…

流産・死産は珍しいことじゃない。4人に1人のママさんは経験してるくらいの割合。経験してない人には解らない悲しみや絶望はあるけど、流産(死産)を経験したママだからこそ『その子』にもらえる光や、教えてもらえることもたくさんある。

短い時間でも、ママと一緒に過ごしたんだからその絆は絶対消えないから。とても貴重な事だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?