ドールに惹かれる話 8話

 新作受注中のシュガーカップスが、気になっている。
 ついに出会ってしまったか……と思うが、いやいや待て待て。……と、言いつつお迎え(購入)した後のことを考えまくってて、その気満々じゃん?と思ったりもする……。

 初見では、可愛いなぁ、けどこのお口の子って好みかなぁ?くらいの認識で、ソフィー(うちにいるシュガーカップス。一話を見てね!)の妹っぽいなくらい。
 まあまあ、と小脇に……傍らに置いて、特にお迎えするつもりはさらさらなかった。今度、好きなアーティストのライブがあって、その抽選支払いとタイミングがど被りしていた、というのもある。普通にお金ないし、見送りだな〜と、思っていたの、だが。

 おやおや……おかしい。
 一度「ないない」した後で、その子の髪は茶髪だと思っていたのだがインナーカラーにピンクが入っていると知った。そうしたら、また一気に引き込まれてしまった。(実はインナーカラーの髪色が好きなのかもしれないと、後に気づく。……その時じゃないんかーい)
 いやいや……お迎えはないな、と呟きながら、電卓を叩き、ライブと受注の締切のスケジュールを確認し、そうこうしていたら臨時収入で計算が狂い。狂いに狂って……。いやいや……と呟きながら、家計簿の来月支出項目に「シュガカプ」と書く始末。
 予算組んじゃったーっ!

 これで、これでだ、未だにお迎えを迷っている。うだうだ。
 なんというか、ソフィーの時は全身に衝撃が走ったのだ。脳天から足先まで電撃が走ったような。それに比べると、その子は胸部を強く殴られた……突撃されたような、そんな衝撃だった。
 諦めようと思えば、諦められるような気もする……というくらいなのが、これまた迷いに拍車をかけている。
 とぉか言いつつ、お迎えしたらこんな名前でーとか、こんな服着せたいなーとか、お目目変えてみたいなーとか。
 もうね、恋してるじゃん。
 うーん、諦めた方がいい。諦めるのを。

 とはいえ、予算の組み方がカッツカツなので、どうにも緊張してしまう。果たして、上手く貯金できるのだろうか……。これだからちゃんと貯金をしろと……!(数ヶ月前から貯金しようとして……結局貯金箱が空)

 上手く貯金ができれば、おそらく……十中八九お迎えするだろう。
 ……とりあえず、タイミングを見て展示を見に行こう。そうしよう。

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