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2019年に見つけた個人的に素敵だと思う企業のSDGs取り組み事例5選(国内編)


あけましておめでとうございます。

2020年。いよいよSDGsのゴールの期限まであと10年となりました。

今年は個人、企業、社会がSDGsの「行動・実践」を求められる大事な年になると思います。

そんな年を迎えるにあたり、今年はSDGsやサステナブルに関連する発信を頑張ろう!という意思表示も込めてこのnoteをアップします。


企業に大きな責任と期待がかけられたSDGs

「SDGs」というキーワードは、ここ1~2年でメディアやイベントを通じて特に耳にすることが多くなったのではないでしょうか。

SDGsは日本語に訳すと「持続可能な開発目標」。2001年に策定されたMDGs(ミレニアム開発目標)の後継として、2015年9月に国連サミットで採択された2030年までの国際目標です。

SDGsとMDGsでは下記のような違いがあり、採択された当初からSDGsの達成には企業取り組みが必要不可欠と言われていました。

MDGs:目標の対象は開発途上国。国際機関/NPOが主な実施者。
SDGs:目標の対象は全世界。従来の国際機関に加え、企業も重要な実施者に。

SDGsの17のゴールを見ていただくとわかりますが、本当に多様な課題を網羅しており、中には企業が大きな影響を及ぼす目標も多くあります。

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出典:国連広報センター

企業がSDGs達成に向けた重要な実施者になったということは、彼らの課題解決力への国際社会の期待がある一方で、地球環境に及ぼす影響力の高さから責任を果たしてもらおうという思いもあるでしょう。

企業への多大なる期待を込めてスタートしたSDGsですが、2015年以降企業の取り組みは一部の先進企業を除いて活発ではありませんでした。その中でも様々なステークホルダーの要請から、じわじわと企業の中で関心が高まり、遂に2019年は日本でも「SDGs経営元年」と言われるまでになりました。

改めて、企業がSDGsに取り組むとは具体的にはどういったことなのでしょうか。キーワードは耳にしても、実際の企業の事例まではイメージできないという人も多いかもしれません。

今回は、昨年100以上の企業の事例をリサーチした中でも私が個人的に素敵だなと感じた事例を5つ紹介したいと思います。選定基準は下記の通りです。

1. 活動のユニークさ
2. 活動を通じたインパクト(事業成長 / 社会への貢献 / ステークホルダーとの連携強化など )
3.   自社以外のパートナーと連携をしていること(SDGs17番のパートナーシップの推進を実践しているか)、または自社の事業を通じて他のステークホルダーに影響を与えていること 

*各事例の該当SDGs目標は筆者が独断で記載しております。

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1.  [目標:1,11,12,17]おてらおやつクラブ x 石井食品 / ユニリーバ 


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出典:石井食品プレスリリース

2019年はSDGsゴール12番「つくる責任 つかう責任」に関連して、企業のフードロス問題が多く取り上げられるようになりました。

多くの食品メーカーや飲食チェーンがフードロス対策で食品を寄付したいと思った時には下記のような課題に直面します。

・余った食品を寄付したいけど多くの量を寄付できる適切な団体がない
・自分たちで様々な地域に寄付をするのはコストがかかってしまい実施が難しい

石井食品やユニリーバが提携をしたおてらおやつクラブは、お寺にお供えされるさまざまな「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として経済的に困難な状況にある家庭へ届ける活動をしています。

おてらおやつクラブが持つ、全国1300以上の寺院のネットワークと企業が一緒に取り組むことで、フードロス問題と貧困家庭支援が同時に実現できる好例と言えるでしょう。

石井食品は無添加調理で食品づくりをすすめていたり、ユニリーバはサステナブルを組み込んだ商品で通常の商品より46%速く成長していたりと、自社の活動も先進的な企業たちです。


2. [目標:8,12,15,17] TOKYO CORK PROJECT

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出典:TOKYO CORK PROJECT

現在、東京では年間1.5億本のワインが消費されていますが、コルクはただ廃棄されてしまっています。しかもそのワインに付いているコルクの原料は日本では手に入れることができません。そこに目をつけたのがTOKYO CORK PROJECTです。

コルク栓を捨てることなく、収集し、再資源化し、コースターや椅子、壁の材料、つみきのおもちゃなどに生まれ変わらせます。

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出典:TOKYO CORK PROJECT

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出典:TOKYO CORK PROJECT

都内のレストランにコルク回収BOXを配置してコルクを回収したり、コルクの選別作業では障がい者雇用を実施するなど、このプロジェクトに多くの人を巻き込んでいるのもSDGs17番の実践という観点でとても参考になります。

デザインもとっても素敵ですよね。興味がある方はオリジナル商品も変えるようなのでぜひ覗いてみてください↓

3. [目標:11,12,17]星野リゾート「リゾナーレ那須」

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出典:星野リゾート

2019年11月にオープンした星野リゾートのリゾナーレ那須。農業と観光を組み合わせた「アグリツーリズモリゾート」をコンセプトに掲げています。実際にホテルの敷地内にある畑は現地の農家さんの指導を受けながらスタッフ総出で開墾して、種を植えたそう。

畑を作る中で従来の収穫体験だけが出来る観光農業では足りないのでは、と感じた支配人。収穫以外の工程にある農業の価値、農作物の価値、農家さんの思いをきちんと宿泊客に伝え、地域の農家さんにも嬉しいと思ってもらえる施設作りを目指し、「間引き」や「土づくり」といった工程を楽しめるアクティビティも提供することにしました。

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出典:星野リゾート

今後は地域の農家さんと宿泊客を繋ぐ取り組みの構想中とのことです。

自社の事業を通じて、顧客にSDGsに繋がる体験を提供していること、地元の農家さんと協力し、観光業を超えて地域の産業を発展させようとする戦略が素晴らしいです。


4. [目標:11,13,15,17] 中越パルプ工業

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出典:MEETS TAKEGAMI

昨今、環境に配慮し、ペーパーレス化が叫ばれていますが、どうしても印刷をしなければならない時もあると思います。そんな時は竹紙を利用してみてはいかがでしょうか。

かつて日本では、竹は生活の一部として竹垣や竹籠として活用されていました。現在では、プラスチックに代替されてしまい、竹林は放置されています。放置された竹林は里山の雑木林などを侵食して生態系に影響を及ぼし“竹害(ちくがい)”を発生させています。

1998年、中越パルプ工業株式会社は、間伐された竹で紙をつくるプロジェクトをスタートさせ、2009年には国産竹100%の竹紙を製品化することに成功しました。

紙を作るための森林伐採を減らし、すでにある竹林資源を有効活用し、生産性を向上させたいタケノコ農家を支援する*この取り組みはまさに「三方よし」。

*タケノコ農家では、生産性を向上させるために5年周期で竹を間伐するため、定期的に間伐した竹を処分する必要があります(参照:中越パルプ工業)

READYFORで今年開催したREADYFOR SDGs Conferenceのパンフレットでも竹紙を使用しました。暖かみのある紙質が好評でした。

5. [目標:12,14,15,17] CRAZY KITCHEN 「SUSTAINABLE COLLECTION

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出典:CRAZY KITCHEN

CRAZY KITCHENはオーダーメードのケータリングサービスを展開する会社です。

企業でもイベントの際にケータリングを注文する機会が多いと思いますが、食材の調達やイベント時のフードロス問題は大きく改善の余地があります。

同社が2019年11月に発表した「SUSTAINABLE COLLECTION」は、一般の市場に出回らず廃棄されてしまう未利用魚や害獣を使用し、フードロス問題に取り組みます。

日本の各地域に起きている食材にまつわる社会課題を知りながら、食材の魅力やおいしさを楽しめるメリットもあります。

SDGsについて勉強をしていても、実際に自分の生活の中で何かに取り組むのはハードルを感じてしまう人も多いかと思います。ケータリングであれば、普段仕事で使っているものから変えてみることはできそうですよね。

ケータリングという手段を通じてSDGsに寄与できる気軽さが、多くの人にSDGsに取り組むきっかけを与えるサービスとして非常に価値があると感じます。

(私はまだ利用したことがないのですが、ぜひ今年のイベントでは使用したいなと思います!他のみなさまの使用された感想も聞きたいです!)

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以上、国内の企業事例5選でした。少しでもみなさまの参考になれば幸いです。

次は海外事例編を公開予定です。(海外の事例の方が沢山あるので、2020年は国内企業のリサーチを頑張りたいと思います。)


おまけ

2019年は現在働いているREADYFORで、法人向けのSDGsマッチング事業「READYFOR SDGs」を開始しました。中部電力様、大鵬薬品様、ロート製薬様、大和リース様、ストライプインターナショナル様に参画いただいています。

READYFOR SDGsは、クラウドファンディングサービス「READYFOR」を通じてSDGs達成に寄与する1万件以上の活動を支援してきた実績を活用し、SDGs推進に向けて企業がパートナーシップを組む際に最適な団体を紹介し、社会との共創を実現する事業です。

その中でも、現在大鵬薬品様が支援するプロジェクトのクラウドファンディングを実施中です。素敵なプロジェクトばかりなので、ぜひご覧いただけると嬉しいです!


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