【絡まりあう灯火の糸】
朝から何も食べず、白湯だけを口にしながらベッドに横たわっている。特に何かがあったわけじゃない。ただ酷く怠くて、頭にかかった濃い霞を振り払えずにいる。
腹に力を入れようと数回試みたが、どうにもうまくいかなかった。横になったままスマホですきな文章を読み、また、すきな文章を書き、うつらうつらと微睡み続けた。気がついたら夜になっていて、友人からの電話の着信音でようやく意識が覚醒した。
私と友人はいつも、取り留めのない話をする。過去、未来、現在。行ったり来たりする時間軸のなかで、どの話も私たちには必要であり、ときに不要でもある。ただ一つだけ言えるのは、心のままに話せる友人と言葉を交わしあう時間があるからこそ、覚束ない精神を保てている。
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