見上げた星の話

アルピーdcgの予告を見ようとツイッターをのぞいた、まさにその時だった。
目に飛び込んできたピエール瀧の顔写真に私は少しびっくりし、苦笑した。
「なんでまたこんな時間に…なんかやらかしたのかね瀧さんは」「ま、いいか」

そうのんびり構えたこちらをあざ笑うかのように、今度は「警察」「薬物使用」「逮捕」の文字が暴力的に次々と浮かびあがった。

私はフリーズした。


有名人の薬物問題は非常にデリケートだ。波及効果をかんがみ、よほどの決定的証拠がなければ警察は動かないし大々的に報道しない。と思う。
ということは、そういうことだ。
案の定、瀧さんは容疑を認めていると書いてあった。
信じられなかった。
これは、たまむすびリスナー全員の気持ちであろうと思った。信じられない。

私が瀧さんのラジオと接していた期間は、まだせいぜい2年ほどだ。
そんな私の彼へのイメージは「みんなに優しくて常に楽しげな人」というもので、正直ラジオパーソナリティという仕事だけをとっても群を抜いて面白かったと思う。
深夜にもくれば良いのに、と何度も思った。
剣のような鋭さと柔らかなセンスがひとつに同居していた。しかもそれを自然に、呼吸をするように形にできる。かなわない。

後に伊集院さんや山里さんが「瀧さんに嫉妬していた」と語ったが、自分も同じパーソナリティなら絶対に嫉妬していたと思う。
激しく嫉妬し、そして強く憧れる存在。まさにスターだ。

星は輝くものだ。
そしてたとえ星が消えても光は届き続ける。
その光を目に焼きつけていれば、それは死ぬまで自分の胸からは消えないだろう。
その光は、自分だけのものだ。奥に仕舞えば、もうだれにもさわれない。そう思う。

いつか彼がのそのそと帰ってきたなら、リスナー全員の暴言メールアタックが待っているのだろう。なにせかわいい女性を何人も泣かしているので大罪だ。万死だ。クソが。自分も送るし。

その時、また新たな星がうまれるのかもしれない。とも思ったりする。
見上げた星は輝くだろうか。
輝かないかもしれない。わからない。

しかし、想い出はたしかに輝くだろう。
それで笑いあえたなら、まあジジババくさいが、それで良いのかも、とか。ね。
思ったりする。







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