【名盤紹介】今だからこそ聴きたいプログレの金字塔『Tarkus』

 どうも、はるねこです。
今回はプログレ四天王から、Emerson,Lake&Palmerの名盤『Tarkus』のお話をします。 

 Emerson,Lake&Palmer(以下ELP)といえばプログレッシブ・ロック界のスーパーバンドで、それぞれ結成前のバンド活動から名声を得ていたキース・エマーソン、グレッグ・レイク、カール・パーマーの三人が1970年に結成しました。
 各々のファミリーネームをバンド名にしたELPは活動前から注目され、日本でも大変な人気がありました(私は生まれてもいませんが)。現在でも熱心なファンや彼らをリスペクトしているアーティストが多く、根強い人気を誇っています。
 クラシックの名曲をバンドカバーしてヴォーカルを足したりと、独創的なアレンジと突出したプレイスキルが魅力で、私自身も学生時代は貪るように聴き漁ってました。まぁ、私はクラシックを学ぶ学生だったのでELPに傾倒するのも無理はないとは思いますが、なんとまぁ陰湿で面倒くさい大学生なのだろうと、今となっては思いますね。

 そんな彼らの名盤といえば一作目『Emerson,Lake&Palmer』やムソルグスキー作曲の《展覧会の絵》をアレンジしたライブアルバム『展覧会の絵』など枚挙に暇がないのだけれど、外しちゃいけないのが今回話す『Tarkus』でしょう。異論は認める。

 アルバムタイトルにもなっている一曲目《Tarkus》は《噴火》《ストーンズ・オブ・イヤーズ》《アイコノクラスト》《ミサ聖祭》《マンティコア》《戦場》《アクアタルカス》の七曲からなる組曲形式の楽曲で、20分を超える大作です。架空の怪物タルカスが地上のすべてを破壊し海に帰るというストーリーで、アルバムジャケットの戦車とアルマジロが融合したみたいなのがそのタルカスです。「Tarkus」という単語はキース・エマーソンが帰宅途中に思い浮かんだ単語で、特に意味はないそうです。
 変拍子や複雑なリズムを錯綜させプレイスキルでぶん殴るような演奏に息つく暇もない程に展開していく旋律は、20分という長さを感じさせない勢いがあります。特にキース・エマーソンのキーボードテクニックは一聴の価値のあるスーパープレイです。是非聴きましょう。

 『Tarkus』はELPが本格的にシンセサイザーを楽曲に投入したアルバムで、後の作品の基盤となったとも言えます。シンセやオルガンサウンド中心の「ELPらしさ」なんてのも今作以降色濃くなっていきます。ELPをあまり聴いたことがない方はこのアルバムから入るというのはアリだと思います。
 
 一方で、クラシックのアレンジで有名なELPですが、ELPの楽曲をクラシックにアレンジするという例もあります。日本のクラシック作曲家の吉松隆が2010年に《Tarkus》をオーケストラアレンジした『タルカス~クラシックmeetsロック~』が発売され、大河ドラマ『平清盛』でも劇中音楽として使用されていました。吉松隆の名アレンジが光っておりますので、気になる方はこちらもぜひ。
 
 「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングテーマにYesの《Roundabout》が起用されたりして、プログレというジャンルが再注目されて来つつある今日この頃ですので、今こそELPを聴いていただき、一人でも多くプログレ沼に引き込もうというお話でした。

 それではさよなら、また今度。 
 はるねこ

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