揺れる天秤の中で見えた光
ホタルライトヒルズバンド主催イベント「ホタルナイトセッション vol.2」で歌わせていただきました。
どのアーティストも本当に素晴らしく、
この人たちが10年後、20年後、どんな歌を歌うのか楽しみになる時間。
各アーティストの曲に2曲ずつホタバンのみんなが入って演奏してくれて、そこでの化学反応もまた最高に面白く、それぞれの楽曲にホタバンの音色がすっと馴染んでいく感じがたまらなかった。
まるで前からずっと一緒にやってきたかのようにまとまる音。
10年以上ホタバンのみんなが奏で続けてきた音が一つだからこそ、なせること。
あの日あの場所で一瞬だけ起こったことは、奇跡でもなく、偶然でもなく、それぞれのみんながこれまでの日々を自分に迷ったり、悩んだりしながら一生懸命音と向き合ってきたことが、ぱっとあの瞬間に花開いたように見えた。
そしてまたみんなそれぞれの道へ、それぞれの日常へ戻り、それぞれの人生を生きていく。また、こんな日が来ることを願って。
私たちは自分以上になれないし、自分が積み重ねてきたもの以上のものは出せない。
そして自分が積み重ねてきたものが自分が望んだように花開くとは限らないし、自分がなりたい自分が必ずしも幸せへと直結しているわけでもない。
そんな思うようにいかないことがいっぱいの人生の中で、やけになってしまいそうな時、人生に悪態をつきたくなってしまうようなとき、
ふとあの日の夜のような瞬間がやってくる。
神様はいつでもそんな感じだ。
最近、子育てと音楽は一番天秤にかけられないものなのに、
毎回天秤にかけなければいけないことばかりが続いていて本当に心苦しい。
この苦しさは一体どこへ持っていけばいいのか、
私自身もまだ答えを見つけられずにいる。
でも、悩みながら歩んでいくしかない。
翌日娘と一緒にいつものように歌を歌いながら、
私の人生には今日もこうして一緒に歌いたい人がいて、
歌を作りたいと思える感動があること
まずはそれを大切にしていこうと思った。
その感動をできるだけ取りこぼさぬように、
大切に手のひらに掬って音にして、言葉にして、
これからも自分の人生を歌って届けていくこと。
天秤のもう片方にかかっている大切な存在を守りながら。
それが私にできること。
誰かがそれを「ぬるい」と言おうが、
「プロ意識に欠ける」と言おうが、
私が大切にしたいものは、私が決める。
私の人生なのだから。
こイベントで出会ったみんなも、これから色んな事を言う人達に出会うと思うけれど、
それぞれの歌をそれぞれの人生を生きているからこそ生まれる歌を大切にしていってほしい。
このイベントでみんなから見せてもらった音の光は
私の中に一つのヒントをくれた気がする。
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