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【本】視点を変えると見えてくるーまともがゆれる

いろんな作家の人たちがTwitterでおもしろい!とつぶやいて話題になっていた「親の年金をつかってキャバクラ SWING EXPO」に、行きたかったのだけど知ったのが遅くて見に行けなかった。
その後、この本が出たことを知り読むタイミングを逃していたらこんな時期になってしまった。

京都で障害福祉NPO法人を立ち上げ、ちょっと変わった地域との繋がり方など実践しているスウィングの木ノ戸さん。
レンジャーの格好で(しかも全員青)で地域のゴミ拾いをしたり、市バスの案内を勝手に行ったり、障害者ってこうであるべき、という当たり前を面白いやり方で打ち壊していく。

アートをやれば、「障害者アート」というジャンルにカテゴライズされ、労働をすれば当然健常者に対してどのくらい仕事量こなせないかで賃金が変わる。
表面的には平等で、すべての人が権利を主張してもいいとされていても、実際には効率の良さを求められ、生産性を上げている人だけが価値があるとみなされている世の中で、できないこと=ダメという一元的な見方以外をするのは難しい。

まともって、なんだろう。

誰もが年を取り、今までできたこともできなくなってくる。そうなったときにはダメになるんだろうか。まともでなくなるのだろうか。

当たり前や、普通、という時代やその時の空気感によって基準が変化していく、本来はものすごく脆弱な価値観で人間の権利や能力までが評価されたり制限されたりするということに、改めて意識しないと疑問を持てない。それくらい、「社会のあたりまえ」の中で無意識に流れにまかされて生きている。

少し視点を変えたり、疑問を持ってみるために、本って本当に大事。

最近疑問に思っているのが、ヘイトスピーチや差別などで炎上したときに、「配慮を欠いた」等の言葉で謝罪が述べられること。
「配慮をしないといけない」という、発言する側が「してあげる」ことが前提になる意識にすでに、権力関係が見え隠れしている。考慮でよくない?相手がどうであれ、主体は自分にあって、自分が相手にとって都合の良いように考えて動く、ことが必要なのだから。




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