桜の下で、また【毎週ショートショートnote|お題「春ギター」】
双方お世話になっている企画がコラボレーション。拙いながら参加いたしたく。ペタ記事以下、参ります。
春。君と出逢い君と別れた季節がまた巡ってきた。そして跡形もなく去ってゆく。桜を散らす風、花散らしの風は容赦なく思い出を捥ぎ取っていった。
ああ。
別れてしまうのならば、手を取ったりはしなかったものを。失うと知っていたならば、掴んだ手のひらを決して離しはしなかったのに。
後悔先に立たず、わたしはひとり樹の下に佇んでいた。
その弦楽器は、一本の桜、その命と引き換えに生を受けた。
桜の樹には魂が宿る。そんなお伽話が語られるようになったのは、いつの頃からだったろうか。薄紅色の花を咲かせる可憐な樹を愛した女がいた。
“今年の花は咲くのが早そうね"
“そうだな。もうすぐ蕾が開くだろう。そうしたら一緒に見よう"
交わした言葉が降り積もり、花びらと共に地面を、そして心を彩った。そして、ひとつの歌が生まれていく。
これが、とある街で春、どこからともなく流れてくる #春ギター の歌。
樺色の装飾を施した弦楽器の音色と共に、それは流れては消えるのだという。奏者や歌い手、その姿を見た者はまだ誰もいない。
拙稿題名:桜の下で、また。
総字数:491字
よろしくお願い申し上げます。
ヘッダーは「春とギター」のロゴ風味として試作してみたAIアートです。同テイストのものをUPしてみます。
「春とギター」「春弦」のキーワードでみんフォトに登録しました。参考までに記します。
ラスト、ロゴ以外、一般的ヘッダー画像として=春とギター
等、何かのお役に立てたならば幸いです。私の「春とギター(略称(仮称?)春弦」オーラスでございます。前回(リスペクト画像)でオーラスにしようかな…..と思ったりもしたのですが。「春弦」の単語に懐かしさを覚えまして=私が1994~2000まで所属した文芸同人誌の名前が「弓弦」でしたので。
ご覧いただきありがとうございました。イベント、最後まで楽しく盛況に。それをお祈り申し上げます。
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66日ライラン、24日目です。
拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。