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帰るためにバスに乗る【#夜行バスに乗って|豆島圭さん企画】参加記事
豆島圭さんの企画【#夜行バスに乗って】参加します。お題としてお借りし、後は独自設定にて。
夜行バス。冬の北国のそれは、休日前とは言え閑散としていた。早く暖かくならぬものだろうか。待合室で両手をこすり合わせる。
「どちらまで行かれるの?私はね、孫夫婦に会いに行くのよ」
話し好きそうなご婦人が、隣から俺に声を掛けてきた。実家に帰る旨を告げると「そうなの。それはご両親がお喜びでしょうね」と笑顔が返された。
喜んでいてくれるのだろうか。こんな俺を待っているのか、2人は。しばし自分の思いに捕らわれていると、気付けば女性は俺の隣りにはいなかった。夜行バスがバスターミナルに到着するまで後5分。俺はかつての苦い思い出を脳裡に浮かび上がらせる。
“いちいちうるさいんだよ!言われなくても、ちゃんとやるって!!”
“口うるさく思えるのでしょうね、あなたには。でもね、気を付けて欲しいのよ。母親なんだもの、どうしても心配が先に立ってしまう。ごめんなさいね”
どうしてあんなに喧嘩腰だったのか、就職時の俺は。若かったし青かった。そして身勝手で思い上がっていたのだ。何でも一人でできるのだと。
夜行バスに乗る前にスマホを取り出す。帳面町からバスタ新宿まで、夜行バスの所要時間は1時間弱。新任後数年を経て田舎に赴任した俺は、すっかり都会から足が遠のいていた。
「母さん?俺だよ。これからバスに乗る。何か欲しいものはあるかな?こっちじゃ漬物くらいしかないんだけどさ、土産は。……ああ、分かった。風邪も引いていないし健康そのものです。身1つで帰るよ。じゃあ、父さんによろしく」
夜行バスのヘッドライトが近づいてくる。さあ、バスに乗ろう。俺と母、父との時間を紡ぎ直すために。
拙稿題名:帰るためにバスに乗る
総字数:670字(原稿用紙一枚半強)
乗る前ですけれど💦バスに。よろしくお願い申し上げます。
【お客さまへお願い】
「帳面町からバスタ新宿まで」の夜行バスがテーマの物語をつくっていただけませんか。
お一人で乗車? お友達と? どんな目的で? それとも、見送りに来た人?
あなたの考える、あなたの好きな物語を紡いでください。
《頭の片隅に入れておいて欲しい事》
① 「4B」の席には座れません。そこは10代後半~20代くらい?男性?(フードを被ってマスクをしているのでよく分かりません)が出発直前に乗り込みます。そして夜中の2時過ぎ、サービスエリアの休憩中に座席に座ったまま、ある物を床に落とし慌てて拾い上げます。それは「拳銃」に見えました。
② 行き先はバスタ新宿。現実には、バスの中で特に問題や混乱は起きず、時刻ピッタリに無事到着します。
(おまけ)
運転手は業務上必要なセリフ以外は喋りません。話しかけられたら、あいづちくらいは返します。主要人物として使用しないでください。
↑↑上記の①②、座席や時刻などは小説の中に「書かなくてOK」です。
必要であれば使ってください、という設定です。
これ以外の設定は好きにしてください。帳面町が日本の何処だか決めていません。車窓に何が見えるか分かりません。SAの詳細も。
★投稿期間は3月3日(日)~3月20日(春分の日)まで。
★20字以上、字数制限なし の「小説」に限ります。
★一人何作でもOKです。
★恋愛、ミステリー、ホラー、ファンタジー…ジャンル不問です。
★先に投稿された方の作品に絡めてもOK。
※ただし、その作家さんと作品に敬意を払い、著作権侵害の無いように気をつけてください。文章を引用するのではなく、あくまで「乗り合わせた目線」で自分の物語を書いてください。話し合いの上で共作される分には問題ありません。
★「 #夜行バスに乗って 」のタグをつけてくれればマガジン収録します。
豆島 圭様 2024年3月1日 記事より引用
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#ほぼ毎日note
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拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。