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過去を抱え、それを沈ませていくということ【創作大賞2024感想文】

スズムラさん渾身の記事をまずはご覧くださいませ。

銘打ちはしたものの。感想なるものを、この壮絶な内容に被せること、その不遜に耐えることは、どうしても私にはできません。ですので、今回の拙文を「共鳴文」と冠したく思います。そして代わりと言ってはなんですが、自分の前職、最初の職を以下に綴ります。

私は刑務官に近しい場所で働いておりました。今は募集停止している役職なので、ご存じない方も多いかと。駐車違反の取締官である交通巡視員です。市内の一線署、交通課交通係で勤務しておりました。職名:交通巡視員、役職名:事務吏員。同僚には刑事さんの存在もありました。

「これだけは忘れるな。お前が辞職したとしても警察職員であった来歴は消えない。少なくとも道府県警内のデータには残る。付いて回るんだ。何に付いてくるか、分かるか?」
「はい。もし私が法を犯したとしたら、その時こそ、ですね?」

こんな遣り取りをしたことがあります。私の答えを聞いた刑事さんは、私の言葉を是とするように一度静かに頷きました。

スズムラさんも仰っておられますが、犯罪はドラマで描かれるものとは全く様相を呈しています。もっと言えば、償いは生涯続く。私も私の償いを抱えています。取締、指導の未熟さゆえに防ぐことのできなかった事柄へ。

償い。それは過去に何かをすることではなく、今を今として当たり前に平凡に、なすべきことを素直に真っ直ぐに行う。背を伸ばして生きていく、ただそれだけなのだと思うのです。当たり前、その至福を忘れずに。

それを誰よりも知り、思い出すに身を削るようなできごとを他者に開示してくださった、その御心に私はスタンディングオベイションを贈りたいと思うのです。決して美化ではなく、よくぞ、と(僭越不遜に)綴ることを、どうかお許しいただきたく存じます。


鬱屈を抱えがちな現代。それの解消として「スカッとしてみたい」、それを自暴自棄で行おうとする人がもしいるのなら。道は一方通行です。引き返すことの叶わぬ場所に足を踏み入れる前に、どうか留まってほしい。何よりも大切なあなた自身のために。

私が出会った「過ちを犯した」人たち。それは、その瞬間までは私たちと、私と同じ一般市民だったのです。勿論、その時も今も市民です。癒えぬ傷を自他に与えながら。どうか、負の連鎖が止まりますようにと願います。スズムラさんのご意志もそこにあると(僭越ながら)思う輩の拙い文章、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

感想文でありながら私事が多く恐縮ですが、私の来歴について言及した記事がございます。参考までに🔗いたします。


スズムラさんへ。春に投稿された御作、感想文を綴るのに創作大賞締切間際💦となってしまいました。時季外れと的外れ、僭越な拙文をどうぞご笑覧賜りたく存じます。


総字数:1158字

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