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草刈正雄さんの素顔とMG5。

草刈正雄さん。NHKプレミアム「美の壷」で出てくる正雄さん、その剽(ひょう)げたキャラクターが素敵で、テーマも興味深い内容。かつ30分というコンパクトな番組内容が魅力的です。可能な限り捕捉しています。「美の壷」に関しては、可能ならば別記事で綴りたく。では、以下。
草刈さんを知ったのは、やはりMG5のCM。美男子でした。今も勿論ダンディですね♬

草刈正雄さんのバイオグラフィーについては、公式HPをご参照くださいませ。


今回の記事では、私が持ち得る幾ばくかの情報断片をメモしてみようと思います。


1.MG5とは~60年代の光芒

草刈正雄さんがCMモデルを務めたMG5は、資生堂の男性向けビューティーブランド。当時は流行の最先端でした。

上記サイトでは、草刈正雄さんの他にモデルを務めた団時朗さんのポスターも掲示されています。団さんは『帰ってきたウルトラマン』(TBS系)主人公の郷秀樹役で知られたダンディな役者さん。近年ではNHK「京都人の密(ひそ)かな愉(たの)しみ」で素敵な演技を見せてくださっていましたね。
閑話休題。草刈正雄さんがMG5のモデルを務める前後、起こった出来事を綴ってみます。

上記より一部を引用します。

当時放映されたCMや広告はジェリー伊藤中山仁と受け継がれ、三代目の団時朗によって爆発的な人気商品となった(この後マックスファクターファクターフォーメンと称し福澤幸雄、続いて蟇目良、また1970年にはカネボウ化粧品エロイカに森富雄を起用し追随した)。キャッチフレーズは「威張って使おう」。後に草刈正雄加納竜等、当時の人気俳優を起用したCMも制作され、大滝詠一がCMソングを手がけたことで知られる[4]

MG5 Wikipedia 記事より

上記の情報から、当時のMG、そのプロモーションが進行する、CMが作られるにあたって(メーカーサイドの)力の入れよう、華やかな背景が見て取れると思います。


2.サチオを通して、化粧品モデルを顧みる

マックスファクターのモデルを務めた人ですので、話題が少々横道に逸れてしまいますが、当時の男性化粧品のイメージキャラクターの代表選手のひとりなので、福澤幸雄に触れてみようと思います。
彼の名を知る人は、今ではそれほど多くないかもしれません。あの福澤諭吉の孫であり、モデル・レーサーとして輝かしい来歴を持つ男性です。

寺山修司もサチオを歌っています。(リンク内、Disk2の14曲目)

私は福澤幸雄を、商業デザインの勉強をしていたころ、資料本を探していて知りました。その後、短歌同人誌に加わり、テラヤマが彼を称賛いていたこと、彼がサチオと呼ばれ多くの人たちに愛されていたことを知ることになりました。サチオに代表される男性化粧品のCMモデル。それは時代の寵児であり、華であったのです。


3.草刈正雄~2枚目俳優から個性派への道

草刈正雄さんに話題を戻します。冒頭で挙げた記事にも言及がありますが、草刈さんは男性化粧品のモデルを務めた事に端を発する「二枚目俳優」という看板・レッテルが、自分を縛るものだと感じておられたようです。ご自身は二枚目などという自認はしておらず、芸能人として、そこで仕事をし糧を得るために必死で歩んできた。そのように感じます。

振り返れば、自分には何もなかったんです。ポッと出の元モデル。小倉のスナックで働いていた16歳の僕が、モデルになろうと思ったのは「月5万円稼げる」と言われたから。福岡では仕事が少ないからと上京したのが70年。その後すぐに資生堂のCMに抜擢され、74年には映画デビューを果たしました。

劇団に所属したこともないから、芝居の基礎が身についていない、声の出し方も知らない。それが強烈なコンプレックスになりました。加えて、「正統派二枚目」として扱われることにも抵抗があり、なんとかほかの自分を見せたいと思ったけれど、その力もなかった。

そこからは厳しい時代が続きました。俳優としては本当に寂しかったし、このままで大丈夫なのだろうかと、何度も弱気になりました。でも、やめようとは一度も思わなかった。僕には学歴もないし、ほかにやれることもない。お芝居しかないんです。その自覚があったから、ここまでこられたのだと思います。

モデルになろうと思ったのは「月5万円稼げる」と言われたから 
婦人公論 草刈正雄インタビュー より引用
 

私感ですが、昔から私は「草刈正雄は二枚目というより個性派俳優なのでは?三枚目のアルルカン的配役をオファーすれば魅力的なのに勿体ないなぁ」と思っていました。私が言うと知った振り(汗)に響いてしまいますが、今の草刈正雄さんの豊富な配役、演技歴を見ると、あながち見当違いの考えではなかったようです。


4.最後に

草刈正雄さんのような、輝かしい来歴の著名人が臆することなく己のコンプレックスを吐露する。それは、見るものに勇気を与えてくれるように感じます。「あの人も劣等感を抱えているんだ。自分だけじゃないんだなぁ」。ともすれば己を見失いがちな、指針なき2023年。私は世情を見渡し、不安ばかりが先走ってしまいます。それに力をくれる記事が上記に挙げたものであったと思うのです。なお、今回は草刈正雄さんご自身の側面に触れることが目的だったため(お父様などの諸問題を取り上げた)NHKファミリーヒストリー『草刈正雄〜初めて知る米兵の父 97歳伯母が語る真実とは〜』の内容には触れておりません。番組については公式HPをご参照くださいませ。


以上、散漫長文になりましたが、草刈正雄さんとその周辺の逸話を私なりに纏めてみました。ここまでご覧くださった方がおられましたら、その貴重なお時間とお心に深い感謝を捧げます。ありがとうございました。

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拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。