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涼を希《こいねが》う 【シロクマ文芸部|お題「夏の雲」参加記事】

夏の雲、その形が変わってきた。夏も終わりに近づいてきたというのに、今年はまだ入道雲を一度も見ていない。雨の降り方も変わってきたように思う。今日の午後、急に豪雨が降ってきた。弾丸のようにバチバチと音を立てながら、暴力的に大きな粒が地面へと打ち付け、小一時間でピタリと止んだ。


「もう少し長く降ってくれたら、涼しくなったかもしれないのに」

思わず零れ落ちた独り言は、雨粒に似ていた。



ピトっ。そんな擬音を立てるかのように、私の左頬に冷たい雫が当たる。雨粒ではない、ここは室内だから。

「蒸し暑さ、去らなかったな。今年の酷暑は中々しぶとい」

缶ビールを2本手に持ち、その1本を私の頬に押し当てて雅也が薄く笑った。

「エールビール?嬉しいな。たまにはいいわよね、暗くなる前に呑んでも」
「いいだろ?1本くらいなら滋養になるってもんだ」

滋養になるかはさておき、社会人の酷暑、その乾きを癒やす1本。有り難く頂戴しよう。エールビールはゆっくりと飲むことができるビール。私のように炭酸に強くない者には有り難いのだ。

「覚えていてくれてありがとう」
「これくらい何てことないだろう?」

そんな遣り取りを交わし、乾杯🍻を。二つのアルミ缶がぶつかり、小気味良い音を立てて午後の空気を優しく揺すった。


拙稿題名:涼をこいねが
総字数:529字
よろしくお願い申し上げます。




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