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情熱と寡黙の間で【再録】

まずは己に言わねばならぬ文言。僭越な言の葉たちです。
言葉とは、発する毎にその残響だけが己に還ってくるのだと思っています。私こそが、この「痛い」言葉を受けねばならぬ「すました奴」だと
強く自覚しつつ。もしよろしければ。
(尚余談ですが。筆者は女です。男性に仮託し綴っております)


俺だけが損をする
彼奴は器用で真っ先に徳をする
人生なんて虚しいもんだ

安酒を煽っていると
にやついた顔をして 隣りでそう呟く奴が居た

それならば お前の充足は一体どこにあるというのだ
そう問うてみたかったのだが 
奴のすまし顔を見て 止めておいた
不味い酒が 益々不味くなるのも 面白くなくて

不平不満は数え切れぬほど 俺も抱えている
だが 戯言は胸の奥に仕舞っておけ
器用な奴に投げつける言の葉を お前は本当に持っているのか
お前は本当に憤っているのか そのことに

お前は笑っているではないか
薄笑いの向こう側で お前は満ち足りているのだろう
それならば 
自分を慰めろと 頭を撫でろと 無音のままに言うその口で
声に出して言ってみろ それをしてくれと この俺に

言葉は 掃き溜めではないのだ
不要物は片付けておけ
せめて料理してからにしろ 外にそれを出すのは

どうせ酌み交わすなら 旨い酒の方がずっといい
せめて一献酌み交わせぬものか
互いの幸いを祝う 醍醐の盃を
                    ―情熱と寡黙の間で。


私が書くことを学んだ、私に言葉を教えてくれた世界。
それはこうした厳しさを己に向ける処でした。
だからこそ、私は今、綴っていきたいのです。
読む人の頬を撫でる様な、光と微風そよかぜを。
それは厳しい言の葉たちよりも、もっと難しいものかもしれない。
そう思いながら。


今回は「#画像生成AIチャレンジ」参加のため、新たにヘッダーを作成しています。


拙稿をお心のどこかに置いて頂ければ、これ以上の喜びはありません。ありがとうございます。