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予感。【シロクマ文芸部「変わる時」】参加記事

#シロクマ文芸部  お題「変わる時」から始まる~ 貼り付け記事以下より参ります。


変わる時。それは時として唐突に訪れる。春の嵐の如く強く吹きすぎ、一瞬にして全てを攫っていく。

彼が唐突に言い出したことは、正にそんな喩えが当てはまるものだった。

「今が丁度いいんだ。チケットも取りやすいし。なあ、今度の週末、スケジュール、空けとけよ」

は?スケジュールって、いきなり何なの?チケットってくらいだから、近場ではないわよね。問いたい台詞が心の中でこだまし、口を突いては出てこない。

「チケットと宿の手配は、俺がしとくから。じゃあ、そろろそバイトの時間だから。会計済ましとくから。またLINEするから」

そう言って、伝票を手にして慌ただしく店の出入り口へと向かう彼。口を挟む余地を与えてくれぬところは昔から変わらない。

お昼を一緒に食べようと、連れだって入ったレストランで一人、グラスに残ったアイスティーをストローからすする。ズズっと品のない音を立てて、残り僅かになった紅茶が私の口元に運ばれてきた。


高校時代から気の合う友人のまま、そこから先には一歩も進まぬ私たちの関係。それにも、変わる時が来ているのだろうか。私は心の中だけでそっと呟いた。



拙稿題名:予感
総字数:470字

よろしくお願い申し上げます。



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