恋をすることについて vol.2
おしゃべりが好きな人。そんな第一印象を抱いたのは、もうずっと前のこと。
約束もなしに家が近いという理由で一緒に帰った。
帰り道を歩きながら他愛もない話をして、じゃあ…とバイバイしていた。
その日までは。
その日はなぜか、いつもの場所でバイバイをせず、話を続けて歩いた。
「あれ、通り過ぎたけど、なんでだろう。」
買い物かな、なんて安易に考えて、前を向いて話しながら歩いた。
「ここにお店あるの知ってる?」
突然そんなことを聞かれた。
行ったことのない道を通ってたどり着いたお店。
相変わらず他愛のない話をして、ごはんを食べて帰った。
その日から、実は気になっていたなんて知らなかった。気づいていなかった。
片思いとも言えない気持ちの切れ端は、日常の中でふっと消えていき、次に会う日まで飛んでこない。
そんな繰り返しで気づいたら好きだった。
一緒にいるときに感じる気持ちに素直になる。
一人のときは、自分を優先してあげる。
そしたら、自分のことも相手のことも、等しく大事にできるんじゃないかな、なんて思う今日このごろ。
上手にできない片思いを繰り返しながらみんな大人になっていく。
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