#2 乱読の始まり 2018/10/01

興味の赴くままに

本はもともと好きで、図書館や書店で背表紙を眺めているとワクワクするようなタイプ。でも次から次へと好奇心が移ってしまって、最後まで読んだ冊数はそんなに多くない。よく言えば本当にハマった本はあっという間に読み終え、事あるごとに読み返す。22歳まではそんな読書スタイルでした。

フランスで語学学校に通っていた頃は、なるべく日本語に触れないようにしていたし、新しい言語を獲得することが心地よくて楽しくて、フランス語ばっかり。読書はしていませんでした。

23年読書の記録

色々考えながら書いていたら、これまでの本にまつわる記憶が次々とよみがえってきたのでちょっと振り返ってみます。

・幼少期
お気に入りの絵本があって、今でも思い出せるのはこの二つ。
『100こめのクリスマス・ケーキ』
『ふたりとにひきがすむいえは』

二冊目は特に自分かランドスケープ的なことに幼い頃から興味があったんだなってよくわかる本。親が買ったのか、もらったのかわからないけど家に置いていてくれてありがとう。

・小学校低学年
本の記憶はあまりない。小川に行ったり木に登ったり外でアクティブに遊んでた。教科書に載ってたあまんきみこの『白いぼうし』がきっかけ?で図書館で『車のいろは空のいろ 星のタクシー』を借りたような気がする。物語自体より読んだ時のイメージというか映像がなんでか記憶に残っている。

・小学校高学年
そういえば小学5,6年生くらいの時は、図書室の人体図鑑を観ながら心臓の絵とかスケッチしてた(医療ドラマの影響もあるけど)。変な子供(笑)
「趣味は図鑑・事典を読むことです」、なんて言って英会話教室の先生に面白がられたっけ。そんなわけで、英語を勉強し始めた小6の時に覚えた単語は ”encyclopedia” でした。

・中学校時代
そんな感じの変わった少女だったから、中学性になったころには自然と自然科学系に興味を持っていた。得意科目かつ楽しかったのは理科・社会だった。
職業適性テストでは、第一希望:研究者、適正あり第一位:研究者だったから面白い。その時は農学をやりたかったから少し変わったけど、本質的には今と変わってないみたい。

もう一つ、小説ブームの到来。好きなドラマの原作をあさることから始まって、いろんな本を読んだな。その割に覚えていないけど。
『4TEEN』石田衣良 
月島っ子の少年たちの、東京湾沿いの道を自転車でさっそうと走るような感じのさわやかな小説。
『6TEEN』石田衣良 
サンタさん、4TEENを熱心に読んでいたこと知ってたのかな?クリスマスプレゼントでもらいました。懐かしい。
『ステップ』重松清
中学校の親友が読んでいたのをきっかけに手に取った本。内容はあまり覚えてないけどじわっとあったまった感覚は覚えている。

・高校時代
高校の図書館でたまたま手に取った本で見つけたランドスケープアーキテクトという言葉。「うわぁぁ、これだー!私がやりたいこと!」って叫びそうになった。もやもやしてたモノに名前が与えられたみたいな感じで。

『13歳のハローワーク』村上龍

・学部生時代
学部時代の図書館は、今振り返ってみても私好みの本がそろった大好きな図書館。東工大の図書館とはまた違った良さがある。大学院進学や留学を決定づける本と運命的に出会ったのもここ。

『ひとの居場所をつくる: ランドスケープ・デザイナー 田瀬理夫さんの話をつうじて』西村佳哲
本人にどうにか会えないかって色々調べたり、いろんな本に手を広げる原動力になった大切な本。ランドスケープデザインに対する基本的なスタンスも田瀬さんの影響するところが大きい。

『海外で建築を仕事にする2 都市・ランドスケープ編 』福岡孝則 他
大学に入学した時から留学したいと思ってはいたものの、交換留学にはあまり魅力を感じなくて。しかも周りに留学している人も見当たらなくて。そんな時、留学の可能性をとてつもなく広げ、勇気づけてくれた一冊。出版記念のイベントに行ったり、本の中の人に色んなつてを使ってコンタクトとってみたり。今思うとすごいエネルギーだったな。「扉は少々強引にでも、こじ開ければ道は開ける!」みたいな、そう思わせてくれた本。著者の皆さんに感謝。

・修士1年
『モモ』ミヒャエル・エンデ
卒論を指導してもらった先生がゼミの時に話していた本。自分のせかせかしがちな性格がよくないなあと思っていたから読んでみた。

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一
弟が読んでいた本。当時なぜ興味を持ったのか忘れてしまった…けれどなぜか印象に残っている。なんでだっけ?


そして23歳、
ベルギーに引っ越してからぼちぼち読書を再開していたんだけれど、乱読に火をつけたのは水野学さんの『センスは知識からはじまる』。購入履歴を見てみると2018/10/01。

「Harunaならきっと好きだと思う」って紹介されたのがきっかけなんだけど…はい、その通りでした。読み始めたらびっくりするくらい没頭してしまった。
それから4か月半で100冊弱、、、え、びっくり 笑(積読は約50冊、、、)終わりのない読書の旅です。これくらい読んでたら乱読って言ってもいいよね?

ちなみに精読した本もあって、自分の専門分野でとても重要な本だから、一章ずつ感想と考察を書いて、フィードバックをもらいながら半年かけて500ページを読みました。これはまた乱読とは違ったことが得られて、最後までやりきってよかった。頭をフル回転させて読まないとなかなか読み切れない壮大な本で、多分一人だったら続かなかっただろうなと思います。難しくてもとりあえず読み進めることの大切さを教わりました。精読することで見えてくる景色もあるんだなあと。留学中に読んだのもよかった。もう一度、今度はざっと読んでみたいと思います。

乱読が止まない正体は、アウトプットは○○○○○○○

さて、ここまで私の読書四半世紀を振り返ってきました。
この4か月半で、

乱読という新たなスタイルを獲得して、得た知識を自分なりに考え”消化し(これは前からやっていた)、人と共有すること(話すというアウトプット)で昇華”させてきました。そして次のステップとして選んだのは、 ”公開する文章” という「モノ」として蓄積させること。

この理由は#0で書いた通り。

ということで読書の記録は『センスは知識からはじまる』から始めようと思います。
書評でもただの感想文でもなく、読んで"何に・どのように"つながったかを中心に書きたいと思います。

では今回はこの辺で、水野学さんのもう一つの本、『アウトプットのスイッチ』の巻末対談での福岡伸一さんの言葉締めようと思います。

乱読がやめられない理由が詰まってる気がするこの言葉。

アウトプットは次のインプットなんですよ。絶え間なく。

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