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食と農と風景

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”研究と日々の暮らしのあいだに”がテーマのマガジン。食と農と農村風景に関連することを書いています。#毎日の風景をつくるごはん
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#農業と環境

#83 風景をつくるごはん、2020春

#実践 #風景をつくるごはん 外出できない日々が続いていますが、みなさんお元気ですか? 4/4の“食の選択”についての記事では、 自由に外出できない今だからこそ、外との接点として食材をとらえなおせないだろうか? と考えていました。それもあって、普段は旅行先で買ったもので作っていた「風景をつくるごはん」を、宅配野菜で試してみることに。 坂ノ途中から「旬の野菜セット(S)」とお米、レシピノート:April2020が届いたので、さっそく「風景をつくるごはん」をつくりました。菜の花

マガジン「食と農と風景」について

「農業と環境」に関連する、食、農村景観、生産と流通、農業政策、ツーリズム、エシカル消費や、それらにかかわる書籍などについて書いていく予定です。取り上げるトピックはこのような個人的に興味のあること、現在勉強していること中心になります。 扱うテーマ私の興味・関心(研究テーマ)についてすごく大きく言うと、 ・持続可能な農業はどのようにして実現できるのか? ・新しい技術の登場、農業と環境問題への関心が高まってきている今、いかにして農業を続けていく事ができるのか?農村景観を守れるの

#82 世界中のワインのエコラベルを集めてみたら

#農産物認 #事例 #論文まとめ Inventory of environmental certifications throughout the world 2019年に発表された世界中のワインのエコラベルを調査した研究論文(フランス語)を紹介します。論文はこちら↓ V. Lempereur, M. Balazard et C. Herbin(2019) Inventory of environmental certifications throughout the

#81 今日、何食べる? 食材から料理を決めよう

#事例 農地の風景のポストカード?と思いきや、これ、レシピブックなんです。一番左の春菊のブックには春菊のレシピ、ネギの畑のブックにはネギのレシピが載っています。こんな素敵で集めたくなるレシピブックを発行するのは、環境負荷の小さな農業を広めるための活動を行っている『坂ノ途中』という会社。 春菊のブック:6つのレシピが載っている 今回のトピックは、『坂ノ途中』の紹介と食の選択についてです。 食で環境へ貢献する手段は色々ある有機認証ラベルは、”都市の消費者”には有機農産物に

#80 『食』がテーマの無印良品 京都山科

#事例 2019年11月、「食」をテーマに生鮮食品を扱う無印良品が京都山科にオープンした。スーパーさながらの店舗は、「無印良品イオンモール堺北花田」に続き関西では二店舗目となる。なお関東では「無印良品銀座」で生鮮食品を扱っている。 地下鉄山科駅直結で改札から店に続く道には食をイメージさせる広告が並ぶ 「食べる・見つける・買う」「食べる・見つける・買う」をコンセプトに、生鮮食品や加工品等を扱い、生産加工の過程にある物語を、商品情報とともに顧客に届けることを目指している

#79 発見クルベジ!~亀岡発、地球を冷やす野菜~

#事例 #農産物認証 前回の投稿で「亀岡の風景をつくるごはん」について書きましたが、わざわざ亀岡に行ったのは、クルベジが本当に売られているのか確かめたい!という目的でした。直売所4、スーパー1か所をまわったった結果、スーパーで発見することができました。 クルベジクルベジは農産物のエコラベルの一種で、以下のように説明されている。 クルベジとは、CO2を削減する営農の取り組みに対して、資金提供者を募り、当該営農にによる農産物に「クルベジ(Cool Vege®)」というブラン

#78 風景をつくるごはん【亀岡】

#実践 3月半ばに京都に行ってきました。と言っても京都市内ではなくお隣の亀岡市です。トップ画は一瞬の晴れ間に車内から撮った亀岡の風景です。 丹波の国京都市の西隣りに位置する亀岡市は京都駅から車で30〜40分、桂を通り抜け、山道をくねくねと走ると亀岡市に着く。 亀岡市の全体マップ 亀岡は霧の町としても知られており、私たちが直売所をまわっている2,3時間で晴れたり、急に強い雨が降ったりと分単位で変わる天気に驚いた。この霧は晩秋~春にかけてよく発生するもので、旧国名の「丹波国

#76 "Debio"ノルウェー有機認証ラベル

#有機農業 #ノルウェー 🇳🇴 さて、今回はせっかく現地に来ているので、ノルウェーの有機農産物の認証ラベルDebioについて紹介する。*Debioは1986年に設立された、IFOAMに加盟する有機認証機関である。 街中で見つけたDebioラベルスーパーやカフェなどラベルがありそうなところでは目を凝らして歩いてみたら、至る所で発見できた。日本で有機JASを見つけるより簡単だった。 はちみつ 卵 grønne franske linser キヌア粉 ポットのハーブ類に

#73 ”ベルギー”ビオワイン

#農業と環境 #EU農業 #ベルギーワイン Itinéraire Bio, La vigne et le vin bio ベルギービオワイン(2018年,筆者撮影) 今回もワインの話題。以前の投稿、「気候変動とワイン生産」では、EUのワイン生産地が気候変動により北上していること、そのためベルギーでもワイン生産量が伸びてきていることを紹介した。 今回は”ベルギー”ワイン、特にビオワインについてのデータ(資料1)を紹介する。資料は、BioWallonie という有機農業の

#70 気候変動とワイン生産

#農業と環境 #EU農業 #ベルギーワイン 北上するEUのワイン生産地ヨーロッパワインと聞いて思い浮かぶのは、フランス(南部)、イタリア、スペインなど「地中海性気候」に属する国・地域ではないだろうか? 今回紹介する記事は、これまでワイン生産に適さなかったベルギーでワイン生産量が増加しているという内容のものだ。 記事によると、ベルギー国内のブドウ栽培地面積は、72 ha(2006年)から343 ha(2017年)に拡大したそうだ。また、将来的に中海性気候に属する地域が栽培

#69 フランス,子供向け動画_農業と環境

#農業と環境 #EU農業 今後積極的に、EU諸国の農業と環境についてのトピックを取り上げていこうと思っています。また元情報がフランス語の場合は、フランス語を勉強している人向けに関連単語も最後にピックアップしていきたいと思います。 フランスの子ども向けビデオが面白い1jour1questionは様々なテーマで1日1つ、子供たちの質問に答えてくれる動画サイト。(動画の初め、それぞれのテーマとともに、子供の名前と年齢が書かれている!)様々なテーマ(社会、文化、歴史、科学、環境…

#62 カーボンフットプリント削減のために避けるべき食品20

#実践 食事から変革的適応を『カーボンフットプリント削減のために避けるべき食品20』 というネットニュース(MSNニュース,ベルギー版,仏語)を目にしたのでメモ。リンクはこちら↓ 記事の冒頭にはこのようなことが書かれていた。 Comme l’industrie alimentaire produit énormément de gaz à effet de serre, 食品産業は温室効果ガスを大量に生産するため、 notre assiette est l’endro

#27 環境にやさしい農業

勉強の記録として「環境と農と食」をテーマに書く。 第一回目のの投稿の目的は、「環境にやさしい農業」について整理し、エコラベルの可能性について考えることだ。 背景農業は自然環境に大きく依存した営み・産業である。それ故に自然条件や気候に大きく左右される。これが世界中どこでも生産できる工業との大きな違いであり、得られる収入にも差が生まれる原因である。 戦後、こうした工業との賃金格差を埋めるために政府は農業の”近代化”に舵を切った。農業の近代化とは、人や家畜から機械への転換、緑

#14 食べることが風景をつくる

≪「食べること」をちょっと角度を変えて考えてみる≫というのが今回のテーマ。 毎日欠かさず行う「食べること」から広がる世界・風景について、農業と風景との関係から書いてみます。 風景をつくるごはん 『風景をつくるごはん』と聞いてどんなイメージを持ちますか? 詳しくはこちらのページ(風景をつくるごはん〜はじめに〜) に書いてありますが、簡単に説明してみます。 ※農村振興や景観の観点から詳しく知りたい方はこちら→「風景保全策としての「風景をつくるごはん」プロジェクト」 農村の風