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畠山織恵さんの講演会@大阪

畠山織恵さんという方の講演会に行ってきた。
はるばる神奈川から大阪まで。

織恵さんについてはこちら。

「障害者のお母さん、のイメージと織恵さんがあまりに違う」

TV やYouTube で私がピンヒールを履いて車椅子を押す姿を見た方から数多く寄せられる言葉です。私は、自分が着たい服を着て、履きたい靴を履き、やりたい仕事をしています。

そして息子も、自分が着たい服を着て、好きなヘアスタイルをし、自分がやりたい仕事、大学講師になるために努力をしています。それは、そんなに特別なことでしょうか。

障害があろうとなかろうと、親であろうとなかろうと、何かを言い訳にして、自分らしく生きることを絶対に諦めたくないと、私は思っています。自分の体や、環境、または誰かのせいにして、「…だから仕方ない」「…だから無理」と自分の気持ちに蓋をして生きるのは、本人が一番しんどいと思うのです。

だから、私たちは諦めません。どんな自分でも、かっこよく、誇りを持って生きていきます。


そして私たちを見て、様々な理由で何かを諦めざるを得なかった人や、夢を手放してきた人が「もう一度チャレンジしよう」と思えるなら。こんなに嬉しいことはありません。

一般社団法人 HI FIVE HPより

講演会に行こうと思った理由

前置きが長くなるのだけど、織恵さんの10年来の友人であり、私の仕事仲間(と言っていいのかな)のひとりである「さなさん」が、今回の講演会を主催した。さなさんは元々は小児の作業療法士で、肢体不自由児のリハビリを仕事にしていた。今はフリーランスとなり、赤ちゃんの発達についての講座を全国飛び回ってあちこちで開催している。

縁あって、私がその講座の横浜開催を主催することになったのは去年の9月の話。ちょーど1年前だ。その講座は今や10何期かまで開催してて、全国各地に受講生がいる。

今回の織恵さんの講演会には、その受講生たちも数名参加がすることが決まっていた。みんなでAirbnbで宿をとって泊まろうという、めちゃくちゃ陽キャっぽい企画に陰キャの私は多少の尻込みはしつつも、みんなに会ってみたいな〜と心は動いていた。織恵さんの講演も、関東に来てくれた時に聞いてもいいのでは?と思ったりもしたけれど…他の人の主催じゃなくて、さなさんが主催した織恵さんの講演会を聴いてみたいって思ったんだ。

自分がベストと思う条件で聴きたかったのだ。自分の好きなタイミングで好きな映画館に行き「ここ!」と思う席に座って映画を観ることと、どこか似てるかもしれない。例え同じ物を上映していても、どの映画館のどの席で観るかによって、受け取り方は微妙に変わると思う。そして観るタイミングだって大切で、私は「今」織恵さんの話を聴いておいたほうが良いような気がした。それもオンラインじゃなくて現地で。

「大阪行きの往復の新幹線代と宿代、もろもろあわせて4~5万かぁ。ついこの間ニューアコで群馬行ったばかりだし、今月はハマスタも2回観戦行ったし、少々使いすぎでは…」と悩んだ。そして息子を置いていくか連れていくかでも悩んだ。置いていったら夜寝られるだろうか、夫は大変じゃないだろうか。いろんなことにちょっとずつ悩んだ。行かない理由はそこそこたくさん出てきた。でも、私は大阪行きを決めた。理由は単純。「あなたはどうしたい?」って自分に聞いてみたら「ひとりで行ってみたい」って答えが返ってきたから。私が私自身のことを一番優先して大切にした決断だった。

お陰様で、本当に楽しくて濃密な2日間を過ごすことができた。あの時の私よ、ありがとう。仕事頑張ります。

講演会当日

行きの新幹線でビールを飲むか散々悩んだけど、講演会の会場で「この人、酒臭っ」って思われたら嫌だなと思って自粛した。織恵さんの本を読み直してたらあっという間に大阪に着いた。

そのまま会場に行けばよいものの、人見知り発動。大勢いるであろう場所に行って、知らない人に挨拶したり上辺っぽい会話をするのがものすごく憂鬱になってしまい、(全て妄想。笑)最寄駅のカフェで飲みたくないカフェオレを一気飲みしてギリギリまで時間を潰す。時間ギリギリに会場に到着した。隣の席が友人のまりなちゃんだったのでひと安心。久々の再会で嬉しい。

この日の大阪は9月最後の日だというのに夏日だった。私は秋っぽい装いを、と思って薄手だけど長袖のワンピを着ていた。その上、スーツケースをガラガラ引いて歩いてきたもんだから、まぁ暑い。講演会が始まっても、緊張も手伝ってずっと汗ダラダラだった。

さなさんの挨拶から、織恵さんが登場。きれいな人だな〜と思って見ていたけど、話し始める一呼吸手前に、空気が変わるのをハッキリと感じた。

あ、惹き込まれるな。
プロだわ。

私は「講演家」と呼ばれる人の話をどれだけ聴いたことがあったっけ?
話がうまい人って世の中にたくさんいるけれどそういうことでなくて、あぁプロだなぁと感じた。ここで私が思うプロとは、それについて必要な学びをして、それを自分のものにするために徹底的に研鑽を積む人のこと。話し方を学んで、それを磨いている人なんだなぁと思った。そして、それだけ伝えたい思いがあるからこそ、それができるんだと思う。

私は「話すのが苦手」だ。でも、それ以前に話すことに関してきちんと学んだことはなかった。SNSを通じてフリーランスとして仕事を始めて、誰かに何かを伝えたいのに、うまく伝わらないから「苦手」と思う。もし伝えたいことがなければ不自由に感じないのだから「苦手」も感じにくい。私には「言葉で話して伝えたいこと」があったんだな。そして、今はただその方法をよく知らないだけなのかもしれない。「話すのが苦手」と言ってないで、話し方の本ひとつでも読んでみようかな。なんてことを、前に立つ織恵さんを見つめながら思った。

織恵さんは、息子の亮夏くんに「できない」ではなく「どうすればできるか考えてみよう」って話をしてると言っていた。やりたいことがある。常識の範囲で考えたら、難しいことかもしれない。でもそれはまだ誰もやっていない方法でできるかもしれない。そんな発想。

それから織恵さんのお話で印象的だったのは「やりたいことないの?」と聞いた時に、亮夏くんが「ない」と答えたエピソード。「好き」はたくさんあっても「やりたいこと」はない。その理由は、自分にできることがないと思っているからなのかもしれない、と織恵さんは考えたそう。そんな風に考えられる織恵さん。聡明な人だな。素敵なお母さんだ。私、感動して溜息出てました。

人ってさ、「想像できること」「やりたいと思うこと」は必ずできるようになる、なんてことよく聞きませんか?その逆の発想で、自分の中で「どうせできっこない」と思ってることは、はなから諦めているわけで。「やりたい」とさえ、思えなくなるようにできているのかもしれない。障がい者の方は特に日常で「できないこと」を感じやすい環境にあって、自分でも気がつかないうちに、そのような考え方になることもあるんだろうなと思う。

この話を聞いて、子育て中のお母さんの話と少しリンクした。「どうせできない」は「やりたい」という希望を飲み込んで食い尽くしていくのだ。子育て中の母親は制限が多い。子どもを連れて外食するとか旅行するとかって、店や場所を選ぶし、実際行ってみたけどそんなに楽しめないこともある。(店で子どもがタイミング悪く機嫌悪くなる、とか)そういうことを想像してると、どんどん尻込みしてチャレンジしてみようとすら思わなくなるんだよね。そしてそのまま行きたかったことも忘れちゃう。

あれ?私の好きなものってなんだっけ?

「何食べたい?」って聞かれて、決められないお母さんたちって結構多いと思う。長年、家族の優先しすぎて、自分の意見を言わなくなったら自分がどうしたいのかよくわからなくなっちゃうやつ。うちのね、母がそうだなぁって前々から思っていた。「何食べたい?」「何したい?」って聞いても「お母さん、なんでもいいよ」って言う。なんでお母さんはこんなに自分がないんだろう、って思った時期もあったけど、そうじゃなくて忘れちゃってたんだと思う。そんな母も今では好きなことを楽しみまくっているのは、また別の話。

織恵さんと亮夏くんのこれまで歩んできた道そのものに、薄っぺらい言葉になってしまうけど、とても感動したし私も頑張ろうと思えた。それ以上に、色々なことを考えさせられる講演会でした。

講演会の会場は天満橋にあるユニバーサルレストラン
「ル・クロ・ド・マリアージュ」
オーナーの黒岩さん、素敵な方でした。
ユニバーサルレストラン、海外では見かけますが
日本にはまだまだ浸透していないよね。

私は私のまま、楽しく生きる

そしてね、一番感じたこと。人から言われた超傷つく、はらわた煮えくりかえるような言葉でも、その「こんちくしょーーーー!」ってネガティブな感情を、自分が動くためのガソリンにしてどこまでも走っていける人に、私もなりたい。

考えすぎで、人見知りで、人との距離の取り方がわからない。仲良くなっても近すぎると疲れてしまう。自分になくて人にあるものが羨ましくてムカついて、うまくいってる(ように見える)人がいつも羨ましい。繊細で人の心がわかりすぎていつも吐きそう。鈍感な人がとても苦手。昔の私はそんな感じだった。今も片鱗はたくさんあって、直らないことに苦しんで、心のことを学んだが故に「いろんな人がいてもいいんだよ」「その人にだって良いところあるよ」っていい子ぶろうと必死だったここ数年。

でも本当は苦手な人は苦手だし、嫌なものは嫌。

もちろん、そうやって人を嫌って一生暮らすわけじゃないよ。そのネガティブな感情を認めてあげて、そんな私だけどいいじゃんか。あいつを見返すために頑張るぞ!なポジティブ変換でもいいんだよね。本当に意味で自分の全てを認めて、明るく開き直って生きていこう。

最近、そんなことを考えていて、今回織恵さんのお話を聞くことで更に自分のこれからの生き方に確信を得ることができた。

講演会その後

そして講演会が終わった後は、さなさんと講座生さんたちと夜通し語り合った。さなさんとまりなちゃん以外は初めてお会いした方々ばかりだったけど、朝4時まで話しまくって、朝もチェックアウト時間ギリギリまでずーーーと話していた。私はものすごく自分を出して話をしてしまったので、初対面の人たちは引いていたかもしれない。でも嘘偽りなく付き合える人と、残りの人生は楽しんでいきたいと思ってるから、こんな私でも仲良くしてくれるなら嬉しいな、とそんなスタンスでいるよ。

帰りはまりなちゃんと梅田でお茶してから別れて、新大阪で40分くらい551とりくろーおじさんに並んで、息子にも新幹線の靴下を購入して、無事にお土産をGETして帰宅。

帰りの新幹線、S Work席にしたのに、Wi-Fi遅すぎて全然ネット繋がらないし、電源もなかったのであんまり作業できなかったのが残念だったな。3時間半くらいしか寝てなかったから、途中ウトウトしたけど、乗り過ごしたら大変なのでガッツリ寝ることは諦めた。最寄駅付近にいた夫と息子と合流し、1日以上ぶりの息子に「かわいいなぁ」となったけれど、息子は塩対応だった。この子に私がしてあげられることはなんだろうな。これから日々色々なことが起こるだろう。なるべく丁寧に考えながら、時には直感も大切に関わっていこうと思う。

2日間で得た情報量が多かったからか、寝てなかったからか、出会った人が多かったからか。家に着いた時に「あれ?昨日家出たんだっけ?もう2.3日帰ってきてなかったような気がするけど…」ってなったのは、久しぶりの体験かもしれない。それだけ濃かったこの週末。自分の人生を生きるためのエネルギーをしっかりとチャージできたように思う。


無事買えたりくろーおじさん。実は初めて食べたよ。
なぜりくろーなのか、それから知ろうと思う。
チーズケーキはふわふわで溶けた〜〜〜


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