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海外経験ゼロで「シドニーでバスケ観戦しよう」と心に決めるまで。

はじめまして、はるみなと申します。
関東圏を中心に、色々なカテゴリのバスケを観戦するのんびりバスケファンです。海外には疎かった私が突然「シドニーに観戦に行こう」と決意するに至るまでを、備忘録的にまとめます。


はじまりはWUBS2023

WUBS(World University Basketball Series)は、2022年に日本で始まった大学バスケの国際大会。国内外の大学バスケチームが集まってトーナメント形式で競い合う大会です。

海外の大学についてはほとんど知らないので、特に何かに肩入れするでもなく「Bリーグはオフだしそろそろ試合が観たいなー」という軽い気持ちで行きました。が、気づいたら「シドニー大学」にどっぷりハマっていました。

豪州大学リーグの覇者・シドニー大学

シドニー大のバスケ部って何? と思っても、国内で得られる情報は限られるのが悲しいところです。バスケ大国オーストラリアですが、数年前までは全国的な大学リーグはなかったのだそう。2021年に現在の大学リーグ「UBL(University Basketball League)」が誕生し、シドニー大はリーグ制覇の経験も持つ強豪校でした。

ところが、WUBS初参戦の2023年は全敗の最下位。初めましてな人間から見ても、フィジカル・メンタルともに本調子じゃないだろうな……と感じられました。全敗が決まった最後の試合、ベンチから引き上げていくときの元気のない表情が記憶にこびりついています。思わず席から立ち上がって拍手しに行ったけど、たぶん誰にも届いてなかった。

目を奪われたPG マイキー・ヨーン

「最下位の大学」がなぜ印象に残ったのか。大きな理由は、PGの#7 Mikey Yoong (マイキー・ヨーン)です。

スピードと独特なリズム、175cmと小柄ながらフィジカルの強い選手にも負けないしなやかさ、シュートの上手さ。友人にも「ああいうタイプのPG好きでしょ」と察されるくらいわくわくして、初戦からずっと目で追っていました。

(日本で得られるシドニー大バスケ情報が少なすぎるあまり、セミプロチームに所属していることを知ってNBL1のチャンネルに登録するの図)

マイキーがアタックし、他のシューターやビッグマンを活かして点を獲る。時には自分で決める。当時のプレーはオフェンスのパターンが豊富とはいえない印象でしたが、点差をつけられても果敢に挑み続け、互いに鼓舞しあう雰囲気が良いな……と思いながら3試合を見届けました。

WUBS2024で劇的勝利を目撃

うわごとのように「シドニー大……また日本に来てくれませんか……」「シドニーで観るとしたらどうしたら良いんですか……」と言い続けて1年、ついにWUBS2024。シドニー大の参戦が決定し大喜びします。

初戦の相手は前回ファイナリストの白鷗大。せっかくなら日体大との対戦でライオンズ対決にしてくれたら面白かったのに(?)などと言って緊張を紛らわせていたんですが、

いや、去年と強度が全然違くないですか!?(ごめんなさい)
連携してきっちりフリーを作れるオフェンス、
リバウンド争いが頼もしくなったゴール下、
誰が打っても危なげのないフリースロー、
決まりまくるマイキーのスリーは、今大会最高記録の1試合6本!

ギリギリのクロスゲームな中、4Q半ばでファウルがボーナスになり、CやPFの重要選手が次々ファウルアウトし、会場全体が白鷗応援モードに染まったときは「オワリダァァ……」と泣きそうになったのですが。交代で入ったCの#5キーランがスリーを決めて突き放し、白鷗のラストオフェンスもキーランがブロック。69対73で勝利。アドレナリンがドバドバ出ました。

マイキーのプレーハイライトまで作られて……すごいや……今年も来てくれてありがとうございます……

勇気を出して「ファンです」と伝えたら

WUBS期間中は朝から晩までずっと体育館にこもっているので、試合と試合の間はもっぱら情報収集をしています。すると、ファイナル直前にシドニー大のインスタストーリーで「マイキーとキャンベルがシドニー大のチームを離れる」と流れてきて。嘘!? 大会公式プロフィールには3年生って書いてあったし来年のWUBSでも観られるかなあなんて思ってたよ!? 
(補足:あとから2月入学の3年制が多い国だと知るが、そもそもかの選手は2021年から在学しているためひとり混乱する)

普段は選手に話しかけたりしないのですが、「これが最後かも」と思ったらいてもたってもいられず、観客席にいたシドニー大のみなさんに声をかけにいってしまいました。

「ファンです、写真撮ってもらったりできますか」「オッケー、誰と撮りたいですか?」「あの、みなさんと!」「え、全員?」などと慣れない英語でジタバタしているうちに、近くにいらした日本人スタッフの方が気づいてくださって。友人がすかさず「この子、去年のWUBSからファンなんです!特にマイキーの!」とアピールしてくれたことで、あっという間にマイキーとツーショットを撮ってもらえたのでした。家宝だ。

シドニー大のみなさんにはいろいろ伝えたかったけれど、試合が始まってしまうので観戦の邪魔にならないよう自席に戻ることに。みなさんのチームがいかに素晴らしいか、観ている私がどれだけエキサイトしたか、伝えきれなかったのだけは心残りでした。

日本で観られないならシドニーに行こう

大会が終わってから数日は、ボックススコアを眺めたり、見逃し配信を観たりしながら余韻にひたっていました。でも、試合動画を観るほど「もう日本でマイキーは見られないだろうなあ」「シドニー大は来年もWUBSに来てくれるのかな」「やっぱりシドニーに行くしかないか」と寂しくなるんですよね。今後のチームの活動情報はないものかとシドニー大の公式インスタを見ていたら、幸運なことに、ツーショットを撮ってくださった日本人スタッフの方のアカウントを発見。

忙しい中で写真撮影に対応してくれたことへの御礼、慌ただしくしてしまったことへのお詫びをお伝えしたところ、「来季の大学バスケとNBL1のシーズンが決まったら知らせるので、シドニーにも観戦にいらしてください」と。海外大学バスケの情報収集が難しいと嘆き続けた1年だったので、お詳しい方の言葉に嬉しくなり、即「行きます!」と宣言していました。

海外経験が豊富な方は「一時的な旅行くらいで気張らなくても…」と思うかもしれませんが、海外旅行の経験もなくわずかしか英語ができない私にとっては、それなりに勇気のいることです。

オーストラリアは日本と季節が逆。大学バスケとNBL1のシーズン開幕は、日本でいうところの2025年春。あと9ヶ月ほどありますが、Bリーグが開幕し大学のリーグ戦だ高校のウインターカップだと走り回っていたらあっという間に過ぎることは分かりきっています。コツコツ準備をしなくちゃ。

あまりにも唐突だけれど、WUBSをきっかけに国を超えた交流や学びが生まれたなら、WUBSのコアバリューに近いものでもあるのでは。

……と自己正当化をしつつ、海外旅行初心者が「シドニーの大学バスケとNBL1の観戦」を目指す日々を記録していくことにします。誰の役にも立たないかもしれないけれど、きっといつか自分で見返したくなるはずだから。

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