松の手入れは基本がたくさん
おそらく、松の手入れが難しいと思っている方が大半ではないでしょうか?
もちろん、松をかっこよく仕上げるには、知識や経験が必要ですが、実は、その松の手入れには剪定の基本が凝縮されています。
少し松の剪定方法に触れながら、お伝えしようと思います。
黒松のイメージ
皆さんの松の手入れに関するイメージは、どうでしょう?
・手間がかかる。
・手入れが難しい。
・庭師に頼むとお金がかかる。
などなど…
決して、間違いではありません。
最近では、「かっこいい」とか「美しい」といったポジティブなイメージより、「大変」といったネガティブなイメージの方が先行すると思います。
しかし、手入れの行き届いた松は、美しさや力強さを感じることができ、やはり、かっこいいです。
手入れの回数や自分でもできる部分、自分で手入れを覚えるなどの工夫をすれば、コストを抑えて、松を楽しむこともできます。
松の基本的な剪定方法
松の剪定は、大きく分けて2通りが一般的かと思います。
①年2回の手入れ
初夏の6月頃を目安に、松の芽摘み(みどり摘み)を行い、冬に二芽に分けて、古葉(親葉)をひく(取る)方法です。
年2回の手入れを行うことで、盆栽のような枝張りを作ることができ、とても美しく仕立てられます。
②年1回の手入れ
雪が積もりにくい浜松では、戻しの手入れとも呼ばれ、それぞれの枝の奥から出ている芽を生かす剪定方法です。
枝張りができている松や大きい松、コスト削減目的などで行うことが多いです。
年2回に比べ、どんどん形が良くなるわけではありませんが、しっかりした庭師であれば、美しく仕上げます。
基本がたくさんとは?
前述した基本的な剪定方法の中で、特に①年2回の手入れでは、樹木の剪定の基本が詰まっています。
二芽にわける基準として、いくつか気を付けなければならないことはありますが、大きく見ると、不要枝(忌み枝)を作らないような手入れを行うことです。
不要枝(忌み枝)については、検索していただければ、たくさん出てきますので、そちらを参考にしてみてください。
松は残した芽が、翌年には枝になります。
わざわざ不要枝(忌み枝)を作り、樹形を崩す手入れを行う必要はありません。
あくまでも基本ではありますが、全体のバランスから、その時点で必要な枝を残す場合もあり、応用が必要な場合もあります。
これらを理解した上で、かっこよくまとめて仕上げることができるようになれば、どんな木でもかっこよく仕上げることができるはずです。
松は素直な木
前述しましたが、松は残した芽が翌年には、そのまま枝になります。
その点では、とても素直な木です。
しかし、残した芽がそのまま、全体の形になっていくため、その職人の技術が顕著に出ます。
剪定が難しい木ではありますが、庭師にとっては、基本がたくさん詰まったとても重要な木です。
他社はわかりませんが、晴美園では、雑木(自然系も含む)の剪定を覚える前に、松の手入れを徹底的に練習します。
極端ですが、松がかっこよくできなければ、他の木もかっこよくできないと思っています。
いかがでしょうか?
不要枝(忌み枝)を理解し、松の特性を理解すると、基本がたくさん詰まっていることが分かるかと思います。
みなさんも松を見る際に、思い出していただけたら、違った目線で楽しむことができるかと思います。
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