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なぜ庭師は刈込鋏を使うのか!?

最近では、生垣やマキ、ツゲなどの樹木を刈り込むのに、生垣バリカン(トリマー)を利用する人も増えてきているように思います。

段々と性能や刃の切れ味も良くなり、庭師でも広く利用しています。
しかし、刈り込む木すべてにバリカンを使うわけではありません。

なぜ、庭師が刈込鋏を使うのか?
その理由をまとめてみましたので、良かったら見てください。

【最大の理由】切り口

バリカンの性能や刃の切れ味が良くなったとは言え、鋏に比べると切り口は潰れやすいのです。

<刈込鋏>

<バリカン>

近くで見るとわかりやすいかと思います。

刈り込みにおいては、枝を切るのではなく、葉も切るので、その切り口は目立ちます。
また、刈り込む時に葉の切り口の向きも意識して、ひとつひとつの玉を仕上げていくので、とても重要なのです。

全体の見た目としては、あまり鋏とは変わりなく、切り口は、日に日に茶色くなってきます。

<刈込鋏>

<バリカン>

写真のようにバリカンで潰れた葉は、鋏に比べて、茶色くなる面積が広くなり、刈り込んだ後の見た目も茶色く見える部分が増え、見た目が悪くなります。

<バリカン>

写真は、イヌマキなので、この程度で済んでいますが、仮にウバメガシやヒイラギといった葉の大きい木ほど、切り口は痛み、茶色くなります。


庭師が作業するのは、その日、その時期だけですが、お客さんは、毎日見ます。
庭師は、その時、その瞬間だけ綺麗に仕上がれば良い訳ではなく、1年を通してできるだけ綺麗に見れるようにするのです。

【それ以外の理由】

①細かい作業がしやすい

バリカンだと広い面積を真っ直ぐ刈るのには便利ですが、枝付けのように狭い部分や細かい部分があると、うまく使えないことがあります。

②刈り込んだ輪郭が綺麗に見える

前述した通り、刈り込む時、葉の切り口の向きも重要です。
その切り口によって、綺麗な輪郭が出るかが決まります。

バリカンだと、どうしても綺麗な切り口にならず、輪郭がぼやけてしまいます。

③安全

特に枝付けの木だと、脚立に乗り、不安定な状態で作業をすることもあります。
そのような状態で、バリカンを使うことは、慣れていないと非常に危険で、大ケガに繋がります。

いかがでしょうか?
なんとなくでも、刈込鋏を使う理由が伝われば、幸いです。

基本的に、庭師は、木を切って管理する訳ではなく、長く綺麗に見せるために剪定をしています。
少しでも、綺麗な状態をお客様に長く楽しんでもらいたいという思いから、刈込鋏を使う職人さんが多いと思います。

▽Instagram
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