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Photo by
momoro66
子どもの私が見たもの
絵を描くたびに苦しむのを止めて、「自分を癒す」絵を描こうと思い始めてから、絵の中に人が現れ始めた。
その人は一人だ。
どこか寂しくて、でも心を持っている。
私は幸せで温かな家庭で育ったとは言えない。
怒鳴り声がしょっちゅう聞こえて、人を憎んで、どこまでも家から逃げたかった。
家に帰るのが憂鬱で、家庭を怖いと感じる子ども時代だった。
ただそれは実は絵と関係ない話で、私は私の「好き」なものを描いてきた。
それは私から、過去の私を切り捨てたものだった。
私にとって綺麗で、現実から離れた世界。
過去が投影されていない絵だ。
でも、私は私の中の子ども時代に蓋をしているものだから、「好き」の本質に気づけていない。
なぜその「好き」に至ったのか、私の中に答えがある。
どんなに見ないようにしても、私の過去の中に私の感情の源がある。
本当にこの世のすべての、ありとあらゆるものを憎み嫌っていたら、私はもうこの世にいられなかった。
絵も描いていない。
過去の辛かったり苦しかった私にも救いや喜びがあったから、「好き」が生まれた。
絵を通して私が私を癒すとき、それは子ども時代の私を慰め、寄り添うことになることが分かった。
過去の私の目が見た美しいもの、救われたもの、支えられたものからも、きちんと生きる力をもらってきた。
それらから目をそらすんじゃなく、絵に落とし込みたい。
過去の私すべての蓋を開く必要はない。
私が何かを「好き」だと感じる気持ちから、過去の私の喜びや心の動きを手繰り寄せて絵に込める。
過去の私と歩みたいと思えるようになって、絵に助けられているのを感じる。
私に絵があってよかった。
絵のおかげで今がある。
絵を描くことを続けられた過去と、今の環境と人に、ありがとう。
読んでいただきありがとうございます!! まだまだ描くぞ~!