すみだ水族館探訪記②
前回の記事でペンギンとクラゲについて書きそびれていた。
すみだ水族館のペンギン達は以前からTwitter等で暮らしを見守っていたので、初めて実際に会いに行けて嬉しかった。
ちなみに、かれらはスカイツリー青春白書とも呼べるような複雑なペンギン模様を繰り広げている。わたしより社会的な生きものだ……。
とはいえ、訪れたのは夜なので皆まったりしており、思い思いにぷかぷか浮かんだり岩場でぼーっとしたり、つがいで仲良く寄り添ってうとうとしたりしていた。お互いの羽根繕いをしている様子など、和やかな光景が愛らしかった。
いろいろな位置からペンギンプールを見られるようになっているのだが、どこから見てもおなかが丸い。
おなかが丸い。なんといってもおなかが丸い。
浮かんでいる時のおなかは船底のような形をしていて、港にちいさな船が何艘も停泊しているみたいだった。
ペンギンに会いに行ったらペンギンが会いに来てくれて嬉しかった。
また、すみだ水族館ではビッグシャーレという水槽展示により、クラゲを上から見ることができる。
生まれて初めてクラゲを見下ろしたが、クラゲは人間界の上下左右縦横斜めに囚われた生き方をしていないため、わたしが内心高揚している間も何食わぬ様子でふわふわ漂っていて面白かった。
手すりに寄りかかり、真下をふわふわ漂うクラゲ達を眺める。耳につけたヘッドホンから流れているのは、聖飢魔IIの「ANGEL SMILE」だ。エース長官の柔らかい歌声と穏やかな音楽、半透明のクラゲ……
すべてが優しく穏やかに溶け合い、ここは天国なんじゃないかと錯覚するほど癒された。
クラゲの生育過程などを紹介するラボに、見慣れぬ雰囲気のクラゲがいて心惹かれた。
プレートに書かれた名前を見てみると「サカサクラゲ」とある。
水槽の隅っこに集まってひっくり返ってじっと沈んでいて、ふわ〜っと浮遊するクラゲを見た後だと、なんだか窮屈な生き方をしているようにすら思える。
そのまま名前になるくらいだから、基本的にずっと逆さまで暮らしているんだと思うが、この姿勢からどうやって動くんだろう。というか、軽そうなのになんで浮かないんだろう。
わたしには不思議なことだらけだけど、カサが上で触覚が下とか、そんな先入観自体、サカサクラゲにとってはどうでもいい問題にちがいない。
また会いに来たいなぁ。
この日見た生きもの達がずっと健やかで幸せでありますように。
前回の記事(探訪記①)はこちら
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