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【RPG制作者向け】ハルマキのゲーム制作論

今回は趣味でゲーム制作(特にRPGのジャンル)をやっている方に向けた
記事になります。
双子魔道士のゲームを制作をする上でも、よく使っているテンプレの
ようなものになります。

今までこういうことを語ることはあまりなかったので、必見ですよ。




概要

小学4年の頃にRPGツクールと出会い、
それから今に至るまで長い趣味として
続けてきた経験から、
今まで綴ることのなかった僕のゲーム創作論を
書き残しておきたいと思います。

なお、プレイ時間2時間程の短編RPGを
ベースにした創作論となります。

また、ツールは選ばない内容にはなるものの、
僕の使用ツールがRPGツクールのため、
そちら寄りの記事になっております。

あらかじめご承知おきください。


まず、どういうキャラで作りたいか?

僕の場合、使いたいキャラ素材を見て、
このキャラでこういう冒険をさせたい

考え始めることが多いです。
なので、それを前提として話を進めていきます。

例えば、僕は三日月アルペジオ(忠藤いづる様)
リュミエルとエクリエルというキャラ素材が好きで、
この双子キャラを使っておつかいさせたいとか、
ちょっと異世界冒険させたいとかで、
双子魔道士シリーズが生まれました。

ハルマキのnoteではおなじみのリュミエルとエクリエルです。

もちろん自分のイラストやドット絵で、自由自在にキャラを作れる人は、
それを使って人を救う活躍をさせたいとかも良いと思います。


物語始まりのきっかけ

どんなキャラでどう作りたいかざっくり決まったら、
次は物語始まりのきっかけを考えます。

僕の場合、多いパターンとしては、
下記の2パターンです。

1.誰かに依頼される
2.誘われる

自作品だと、「昇霊士クリスと雪に響く歌声」は1のパターンで、
双子魔道士の異世界冒険たん♪ -お宝大作戦-」は
2のパターンでそれぞれ物語がスタートします。

昇霊士クリスと雪に響く歌声では、大司教から依頼されるところから始まります。
双子魔道士の異世界冒険たん♪ -お宝大作戦-では
リュオンからお宝探しに誘われるところから始まります。

これら2点は比較的手軽に主人公達を日常から非日常へ
誘(いざな)うことができるので、結構使ってます。

他のパターンとしては「巻き込まれる」というのもありますね。
(例:何かに憑依されたとか、
   たまたまその場に居合わせたことで事件に巻き込まれるとか)

それ以外はちょっと思いつかないです…


最終目標決め

始まりのきっかけが決まったら、次は最終目標を決めます。

「誰かに依頼される」パターンの場合は、
その依頼を完遂が目標になるため、
非常にわかりやすく話を締めることができます。

「誘われる」パターンの場合は
誘ってきた相手がやろうとしてることを完遂させること
目標になると思います。

細かいエンディングの展開はこの時点では
特に考えなくても問題ないです。


使う拠点とダンジョンの数

始まりと最終目標が決まったら、
その間に使う拠点とダンジョンを決めていきます。

物語が始まる、始まりの地と
最終目標を達成するためのラストダンジョン
(+エンディングで使う場所)は、まず確定として、
その間に何個拠点とダンジョンを置くか先に決めます。

僕の経験上、大体メインルートで通るマップが
45x45~55x55サイズ5マップくらいのダンジョンであれば、
大体15~30分あれば攻略できるので、
プレイ時間を2時間程と考えると、
ラストダンジョン含めて、大体3~4個くらいあると
良いと思います。
拠点もその時何個設けるか決めます。

もちろん慣れないうちは、始まりの地とラストダンジョンだけでも
良いと思います。(それでも30分くらいになるので)

このダンジョンの個数から、間に何を挟んでいくかを
次に考えていきます。


間の展開

始まりの地とラストダンジョンの間に置くダンジョンで
何をしていくかという展開をここで考えます。

よくあるパターンだと、そのラストダンジョンへ入るために、
2つのダンジョンにあるカギを入手しなきゃいけないとか、
始まりの地からラストダンジョンまでが遠いので、
その道中としてダンジョンを通り抜けるというものがあります。

ただし後者のパターンだと、ただの道中ってことにすると
飽きが生じやすくなるので、一捻りは加えます。

例えば、行った先でまた別の事件が起きていて
そのダンジョンを攻略しないといけなかったり、
回り道をしなければならない時にそのダンジョンを
攻略しないといけない状況にするなどです。
あとは、景観がきれいなマップにして、キャラがマップについて
触れる会話イベント
があるのも良いです。

自作品「精霊王からの挑戦状」の場合は、
精霊王への挑戦資格を得るのに必要な、3つの魔宝石を集めるために、
攻略順自由のダンジョンを攻略して、
それから精霊王のいるラストダンジョンに行きます。

魔宝石のあるアリエス火山、ピスケス湖、カプリコーンの森をクリアしたら、
サジタリウス城下町のすぐ近くに、ラストダンジョンの精霊王の塔が現れます。

データベース制作

必要なダンジョンの個数が決まれば、
ある程度必要なデータ数が見えてくるので、
ここでデータベースを制作していきます。

項目に分けて解説していきます。

アクター

短編だと2~3人とかが動かしやすい人数として見てます。
初期メンバーが2人なら、主人公ともう一人はお互い知り合いという方が
話を進めやすくて良いです。
3人の場合なら、3人目も最初から知り合いでも良いですし、
今回の依頼に関わる人物でも良いです。
フレキシブルに扱えます。
(自作品「双子魔道士の異世界冒険譚 -異世界訪問と盗まれた食べ物-」では
 初期メンバーは双子ですが、オープニングイベント挟んで
 依頼人のリュオンが仲間に加わるという形です。)

実はハルマキ作品では珍しい「仲間に加わる」イベント

また、僕の作品では最初から4人パーティというパターンも多いです。
これは短編RPGで作る場合、最初からみんな知り合いというやり方の方が
進めやすいと思います。
長編と違い、キャラを深掘りしにくい短編RPGでは、
元々の個性を見せていった方がプレイヤーを引き込みやすいと思います。
(このキャラはしょっちゅう罠にかかって、仲間に迷惑かけるとか、
 やたら食いしん坊だったり等)

最高レベルに関してはクリア予測レベルで良いでしょう。
ダンジョンの個数3~4個くらいで初期レベル1で始まるなら、
大体15か20くらいで十分です。
(1ダンジョンにつき、ボス倒すまでに5レベルアップするくらいで調整)

職業

これは好みにもよりますが、2人パーティもしくは初期メンバーが2人なら、
片方を攻撃キャラ、もう片方を回復キャラにすると、
バランス良く対応できるのでオススメします。

3人パーティの場合は、上記に加えて素早さが高い攻撃または補助キャラとか
入れても面白いですね。

4人パーティなら、さらにタンク系の防御キャラなんか混ぜると
バランス良くなるかもしれません。

自作品「精霊王からの挑戦状」の場合は下記のとおりです。

アスラン:防御キャラ
エレナ:回復キャラ
レイン:素早い攻撃キャラ
フィル:魔法攻撃キャラ

アイテム

短編ならおそらく下記を用意しておけば事足ります。

単体HP回復アイテム 1つ(店売り品)
単体MP回復アイテム 1つ(店売り品)
単体全状態異常解除アイテム 1つ(店売り品)
単体戦闘不能解除アイテム 1つ(店売り品)
全体HP回復アイテム 1つ(非売品)
単体HP・MP全回復アイテム 1つ(非売品)

全体HP回復アイテムは強力ゆえ、
あまり店売りにしない方が良いでしょう。
単体HP・MP全回復アイテムも同様です。

あと他に能力成長系アイテムを入れても良いです。
ただ、あまりにも大盤振る舞いしすぎも考えものなので、
不慣れな場合は入れないのも一つです。

武器・防具

各カテゴリーでダンジョンの個数と同様
もしくはダンジョンの個数+2~3はあると良いです。
ダンジョンの個数+2~3の場合は
ダンジョンの個数分の装備品を効果なしにして、
追加の2~3個分を特殊効果付きで少しパラメータの変化率が上とかにすると良いと思います。

僕はダンジョンの個数+2~3のパターンはあまりやったことないのですが、
余分に用意しておくと、ダンジョンの宝箱から手に入る物に組み込みやすいと思います。

装飾品は状態異常対策と属性対策があれば十分かなと思います。

スキル

味方側が使えるスキルは、短編だと少なくても全然問題ありません。
僕は大体4~8個で収めてることが多いです。
あと最近は全体効果スキルの扱いが、補助スキル以外控えめです。
(覚えるのが遅かったり、そもそも覚えさせなかったり)

代わりにTP技として、雑魚散らしにもボス戦にも使える威力で
全体効果スキルは採用する
ことが多いです。

エネミー(敵)

これも皆さんの裁量になるのですが、僕は1つのダンジョンにつき、
大体4~5個ザコ敵
を用意しております。
そして、標準の敵、早い敵、状態異常を撒いてくる敵、
耐久のある敵、魔法しか使わない敵、攻撃力が高い敵
のように
タイプを設けてやってます。

そこにボスを入れてます。
攻撃内容によって反撃内容を変えたり、ローテーション行動にしたり、
特殊な行動をさせたり
など、ちょっと頭を使っております。
あと、意外な点としてはボスにも状態異常が効くように設定して、
状態異常に意味を持たせる
ようにもしてます。

ボスに関してはダンジョンの数だけ用意しておくことは多いですが、
ボスのいないダンジョンもある場合があるので、
必ずしもダンジョン数=ボスの個数にはなりません。
(本当に倒す必要があるか?なければ登場させないのも一つの選択肢)

ステート

こちらに不利に働くものとしては、
戦闘不能、毒、暗闇、沈黙、スタンくらいで他は採用しなくても
OKかもしれません。
スタンの代わりに睡眠とか麻痺を入れるのも良いですが、
睡眠とか麻痺はハメ戦法になりやすいので注意ですね。

個人的にはプラグイン入れることで
麻痺状態をポケモンのように一定確率で行動不能とかにもできるので、
そうすることでハメ戦法になりにくくすると良いかもしれません。
(MZだとロンチプラグインに含まれております。)

有利に働くものとしたら、タンク用の挑発とか鉄壁とかですかね。
あとは属性軽減みたいなものとか。
HP再生は長期戦じゃないとなかなか活用難しいですし、
魔法反射もそういう敵がいないと活用難しいですね。
まあ、無理に追加しなくても良いかもしれません。

サンプルデータ集使っちゃえ!

とまあ、長々と書いてますが
ここまでいろいろ設定するのはめんどくさい!
なので僕も自分で作ったサンプルデータ集をベースに
作ることが増えてきてます。
みなさんも使いましょう!


シナリオ・マップ制作

さあ、ここまでできたらシナリオとマップ制作に移っていきます。
最初に全マップ用意しても良いんですが、
作業が偏るのと、いろいろ設定(移動イベント等)が面倒になるので
適度に気分転換しやすいよう、並行して行っています。

シナリオは
始まりのきっかけ、間の展開、最終目標で決めた内容を基に
より詳細にしていきつつ、メインイベントでのキャラのやりとりを
テキストソフトを使ってセリフの台本を作っていきます。

台本を作る理由は下記のメリットがあるため行っております。

1.セリフの前後を確認しやすいため、話の繋がりがおかしくなりにくい
2.前のイベント等で出した伏線のセリフ等を確認しやすい
3.コピペでツクールにセリフを貼り付けられる
4.このシーンでどう動かすか、どういう音楽流すかを考えながら進めやすい

こんな感じで毎回台本書いております。

そしてそのシーンに合わせてマップを作っていきます。
マップを作るのがめんどくさければサンプルマップでも全然OKです。

ここでも僕のサンプルデータ集の他、
花姫パパさんのサンプルマッププラス
FSM有料素材のサンプルマップなど、様々ございます。

メインイベント・その他イベント制作

脚本とマップができあがったら、
そのマップにイベントを作成していきます。
まずは移動イベントと店、宿屋は先に用意して
その後にメインイベントを用意します。

移動イベントを先に置いておいた方が、
メインイベントの進行もスムーズになります。

町の場合はNPCイベントとちょっとしたアイテムが入手できるイベントを
最後に置きます

正直、僕はここが一番苦手です。NPCに何喋らせたら良いの?
「ここは、〇〇の町です」→絶対入れます。
「いやはや家族と旅行に来ましたがいい街ですな」→世間話系は難しい
「ねえ、ダーリン…」「なんだいハニー?」→貴族のリア充はNPCに困った時に登場

町が広いほど考えるセリフも多くなるので、
なるべく町マップは小さめに
作りたいです。

ダンジョンの場合、僕はシンボルエンカウント採用なので、
敵シンボルと宝箱を最後に置きます。

こっちは宝箱に何入れるか迷いますね。
困った時はお金や成長アイテムを入れる場合が多いんですけど、
前者はがっかりされやすいとか…
(使い道自由なのに、なぜ…?)
もし、装備品を余分に作ってた場合は
その装備を入れればある程度解決できます。


回復・離脱ポイント

僕の作品、たいていボスの前に回復ポイントを置きます。
ボスには全力で挑んでもらいたいので。
ただ、回復ポイントを設けると
ザコ敵によるリソース削りが機能するのかという問題
もあります。
特にシンボルの場合は避けていくというのもあるので、
回復ポイントを設けなくても問題ないかも…という考えが最近生まれてきてます。

一方ダンジョンを離脱するポイントとかは、
自作品だと離脱用アイテムとか帰還の魔法陣とかでやったことがあります。
殆どの場合は一方通行なんですけど、
入口から戻ってこれるというパターンもあります

…なんかそういう仕様なら、なおさら回復ポイント不要かもしれませんね。


目印の導入

マップ移動する地点、調べられる地点、
戦闘イベントが発生する地点の目印
を僕の作品では入れております。
結構好評です。わかりやすいと。

以前調べられる点に気づかず、詰ませてしまった経験があるので、
それを防止する目的のため入れております。


王道でも良い!恥ずかしがらずに!

さて、ここからはRPGのストーリー展開についてです。

これに関しては王道で良いと思います。
使い古されてるからこそ、作りやすくわかりやすいです。

悪いやつを懲らしめたりとか、病気を治すためにアイテムを手に入れるとか
結構僕はこの王道パターンに頼っております。

逆に敵に悲しい過去があったとか、そういうのは書きづらいですね。
同情を誘う分、上手く展開しないと後味悪くなっちゃうので…

王道は好きだけど、面白くないからって敬遠する人もいるし…
とか思わず、王道が好きなら、王道でも良いと思って作っちゃいましょう。

大丈夫。個性に溢れた世の中でも、王道が好きだって言う方は
意外といらっしゃるんで。


キャラに「見せ場」を作る

キャラを立たせるという意味で「見せ場」というのを
作る機会が多いです。
そのキャラがめっちゃ光るところですね。

短編RPGは時間が短いので、キャラを立たせるとしたら
インパクトに残りやすいことをするのが一番手っ取り早い

思ってます。

例えば、自作品の「双子魔道士の異世界冒険たん♪ -お宝大作戦-」では
あるボス戦で、そのボスと対等に戦うため、
リュオンが自らのもう一つの姿、飛竜の姿に変身して
単騎で戦うシーンがあります。

この作品におけるリュオンのかっこいいところです。

こういう元々持っている特殊能力が活躍するところ
「見せ場」として機能しやすいです。

また、かっこいい場面だけじゃなく、
完全ギャグでも「見せ場」にはなります。
例えば主人公が調子に乗ってたら、罠に引っかかり、
その引っかかった先でピタゴラスイッチ式にどんどん別の罠に引っかかって
痛い目見る
というのもインパクト大の「見せ場」になります。


まとめ

・どんなキャラにどんなことをさせたいか

・始まりのきっかけと最終目標を決める

・始まりの地~ラストダンジョンの間に
 何個ダンジョンを入れるか
 (大体1つのダンジョンにつき攻略に30分かかると計算)

・間のダンジョンをなんのために入れるか

・短編でのパーティは2~3人がオススメ

・職業は攻撃タイプ、回復タイプ、速い攻撃or補助タイプがオススメ

・武器、防具はダンジョンの個数分がオススメ
 (宝箱のことも考え、非売品とかも余分で用意するのは有)

・スキルは短編だと4~8個程度がオススメ
 (全体攻撃はTP技のような必殺技枠)

・ザコ敵は1ダンジョンにつき5個くらいがオススメ。+ボス

・短編で、ステートは不利なものだと
 戦闘不能、毒、暗闇、沈黙、スタンくらいでOK
 有利なものは必要に応じて

・脚本とマップを並行で作成

・回復ポイントは離脱ポイントの仕様によっては不要
 置くならボス戦前

・目印あるとプレイヤーに親切

・王道だからって恥ずかしがらない

・キャラに「見せ場」があるとインパクト大

・創作工房春巻のサンプルデータ集や
 他の方のサンプルマップ等を使おう


以上になります。
いかがでしたでしょうか。

僕は長編がホント作れないので、短編でとにかく作品を量産してますが、
おおよそこのようなテンプレ的な考えの下、RPGを制作しております。

考え方が全然違うよ~とか、
こんなんよりも自分のやり方あるし、という方はいらっしゃると思うので、
全部を全部鵜呑みにする必要はございません。

ただ、こういう考え方があるんだというところだけ、
参考にしていただけますと嬉しいです。

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