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小学校卒業の気分で6年目終了

ふだん児童書を中心にお仕事をしているので、どうしても物事を考える基準が学校になりがちです。例えば6年といえば、小学校に入学してから卒業するまでの年数といった感じです。

本日9/23は、6年前にデビュー作『スピンガール!』が発売された日=私の商業作家デビュー記念日です。
そう、気がつけば丸6年、小学校入学から卒業までと同じ年数が経ったわけです。

■なんとか越えた5年

デビュー時の目標が、とにかく5年間、本を出し続けることでした。作家の5年生存率が低いという話を聞いていたので、何がなんでもそこまで作家業を続けていこうと思ったわけです。

拾い上げデビュー&新人賞受賞作の書籍化なしというハードモードスタートだったので、ただただ必死だった最初の数年にあの手この手を尽くし、3年目あたりから仕事の幅も広がって、4年目には協会賞をいただくこともでき、なんとか5年を突破できました。

■そして迎えた6年生

小学校でいうと最終学年、まとめの年って感じです。とてもありがたいことに、千葉市芸術文化新人賞奨励賞、児童福祉文化賞の2つをいただくことができました。著書も44冊に到達、アンソロのお仕事も増えました。

最初は与えられたものの中でがんばることで精いっぱいでしたが、この数年はどんな作品が自分に求められているんだろうかと考えるようになりました。ありがたいことです。

■中学生になったら

そんなわけで、小学校を卒業したので中学生になるわけです。まだ義務教育ではあります。色々と考えています。

●基礎力向上・やれることを増やしてレベルアップ

ありがたいことに、依頼される仕事の幅が広がってきました。直近だとミステリー、怪談、ショートショートなどなど。どんな依頼が来てもさっと対応できるような、基礎力の向上はますます必要だなと。

あと、最初の数年は自分の得意なものをいかに活かすかを意識していました。例えば、私は圧倒的に一人称で書くのが得意なので、これまでの長編は基本的に一人称です。
が、一人称ではやりにくい内容やジャンルも当然あるわけで。
今取りかかっているある作品、商業では初めて三人称の長編になる予定です。しっかり仕上げてきちんと本になるようにがんばりたいです。

●どうやって継続していくか、クオリティの維持

最初の数年は、いかに仕事を絶やさず生き残っていくかを考えていました。6年のあいだにやり取りする版元も増え、今は心配の矛先が少しシフトしてきたように思います。継続できるかどうかは自分(の作品)次第だなぁと。

仕事の依頼をもらえるようなクオリティの作品を書き続けること、最新の情報をキャッチアップし続けること。これの継続が本当に大事。

忙しいからといって、見直しが不十分だったり、検討不足なものは出したらいけないわけで。不要な部分は最大限効率化した上で、丁寧に対応しないといけないなと肝に銘じています。

そしてもう一つは、体力とスケジュール管理。体力的に無理せずできるか、健康も超大事。ジム通い続けます。

●校正の仕事

忙しいながら、実は先月から校正の仕事も少しだけやってます。かれこれ3年間専業作家をやってきたのですが、以前働いていた企業さんからお声がけいただき、業務委託の形態で週に5時間ほど仕事をすることになりました。というわけで、概ね専業作家ではありますが、作家業以外の仕事もやっています。

お声がけいただいたときに少し迷ったのですが、忙しいからこそ、出版の外にも目を向けた仕事をやった方が、メンタルコントロールとか気分転換にもいいかなって思ったんですよね。社会との接点もできるし。
あと単純に、ぜひやってほしいと頼ってもらえるのは、本当にありがたいことだなと思います。

校正の仕事なので、自分のものじゃない文章に向き合うのも勉強になってとてもよいです。時間のやりくりだけ気をつけたいですが、今のところいい感じにやれてる気がします。無理せずやってきたいです。

■まとめ

最初の数年は、本当にいかに5年の壁を越えるか、生き残っていくかに意識を注いで生きてきて、目先しか見てませんでした。けど、5年目を越えたあたりから、先のことを考えるようになって心底思います。

10年、20年と作家業を続けている大先輩方、本当にすごい。

まず心身共に健康じゃないと続かないですし、そのうえで求められるクオリティを維持できてるってことですし、かつ版元さんとの良好関係も必要なわけです。まじですごいですよね。本当にすごい。私も10年選手になりたい。

あと、この6年間で単著を44冊刊行したのですが、7年目には50冊目に到達できそうな気がしてます。そこも目指してがんばりたいです。

そんなわけで、次は中学3年間、最後の義務教育期間をどうにか生き抜きたい思います。そして次は高校へ。

----- PS ---------

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