短編小説:もういない君の手を握る(1/3)
YA小説を書いてみよう部2018作品集『ハイブイン』向けに3年前に書き下ろした作品の再掲です。
《あらすじ》
文化祭に向けてバンドの練習をしていたある日、メンバーの優の様子がおかしいことに岬は気がついた。優はダメな自分を「廃部員回収部」で修理してもらったと言いだして……。(約1万字、3分割掲載)
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夏休みも後半のその日の午前中。私たちのいつもの練習場所、被服室に現れた優(ゆう)は、その登場からしてどこかおかしかった。
「お