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三浦春馬と高橋一生 おんな城主直虎

性懲りもなく、三浦春馬さんについて語ります。2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」。高橋一生さんとの共演が私としては印象的でした。

三浦春馬さんの演じた亀之丞(直親)。爽やかで快活な好青年でありながらも、どこか達観したような、春馬さんそのもののような役でした。が、このドラマで私が目を奪われていたのは、高橋一生さん演じる政次の方。政次が非業の死を遂げる回を迎える直前は「大変、政次が死んじゃう」とオロオロして、家族を困らせたものです。

直親は笑顔が印象的でしたが、政次はいつも雄弁な無表情で色々こちらに語りかけてきました。彼のこの無表情の演技がとても好きで、以下リンク先の記事にはとても納得させられた覚えがあります。

もっとも、高橋一生さんのお芝居を見て、三浦春馬さんはより「好青年感」が出るような演技プランにしたのでしょうね。2人の対比がより明確に視聴者に伝わるように。たくさん現場でお話しして、プランを決めていったのだろうなと思いました。

三浦春馬さんと高橋一生さん。年は離れていますがお二人とも子役から活躍されていて、堀越高校のご出身。舞台でもテレビや映画でもご活躍というバックグラウンドは似ていますが、まるで直親と政次のようにその印象は違います。舞台中心に実力を磨いてこられて、テレビは後発だった高橋一生さん。一方、三浦春馬さんは初舞台こそ地球ゴージャスで若い頃に踏んでいるものの、テレビドラマの主演を早くからこなし、努力を積み重ねて近年ミュージカルやストレートプレイの舞台で活躍されています。つまり舞台が後発。

これは、三浦春馬さんの持つ天性の華やかさを周囲が放っておかなくて、いわゆるイケメン俳優として売り出し実際に売れてしまった事によるものだと思っています。それと、所属事務所の規模もかなり違いますね。

私が残念に思うのは、「三浦春馬と私 その7」でも書いた通り三浦春馬さんはミュージカルの舞台でこそ輝く人だと確信していたのに、才能が本格的に開花してからの作品が「キンキー・ブーツ」と「ホイッスル・ダウン・ザ・ウインド」の二本しかないことです。早くから舞台やミュージカルをやっていたらどうだったでしょうか。舞台で高橋一生さんと三浦春馬さんがぶつかり合うところなんて、想像しただけでゾクゾクしてしまいます。もう叶わぬ夢ですが。

もっともっと生で色々な役を観たかった。応援したかった。

表現に真摯に向き合うという意味でお二人は似ているように思いますが、なんというか三浦春馬さんが役を自分の中に入れるのに対して、高橋一生さんは役を演じている時の自分を上から俯瞰で見ているような、そんな違いがあるような印象を受けています。


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