見出し画像

がんばらない

がんばらない。

2023年の目標を立ててみた。

昨年後半、コロナの第7波以降から我が家を襲った怒涛のような日々を思い出す。新しい仕事、家族の入院、母のこと、娘の進学。円形脱毛症が出来ていないのが不思議なくらいだ。

年末は、穏やかにほっと息をついていた。

日本アルプスの向こうの、雲一つない青空が
珍しくて、ぼんやり眺めていた大晦日
母が旅立った。

母は、長いこと保険の外交の仕事をしていた。
ずっと働き詰めだった母が仕事を辞めて好きなことを出来た時間は、80余年の人生の中であまりに短かった。頼り甲斐のない父を尻目に何でも自身で解決してきた母は、次第に思うように動かなくなっていく己の身体を、どう感じていただろうか。

母は、いつだってがんばっていた。
がんばっている母の背中を追いかけて、
いまわたしはここに立っている。
そして、母は最期の瞬間までやっぱり、がんばっていた。

ずっとずっと、がんばらなくちゃいけないと思ってきた。同じように。
だけど母の歩んだ道を改めて振り返ってみると、そうがんばらなくても良かったことも、もう少しがんばらなくちゃいけなかったことも、そこここに転がっているように感じられた。

「がんばる」と「がんばらない」のさじ加減すら分からなくなるほどしゃかりきだった、母の背中がまた目の前に浮かんでくる。

2023年の目標を立てた。

がんばらない。

今年1年間、がんばらないをがんばることにする。


いただいたサポートは、わたしの好きなものたちを応援するために使わせていただきます。時に、直接ではなく好きなものたちを支える人に寄付することがあります。どうかご了承ください。