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【観戦記】2021クラブユース選手権U18②北海道コンサドーレ札幌U18VS東京ヴェルディユース「勝負の一戦を制した札幌」

「非常に力のある相手でタフな試合だった…」

開口一番
監督も選手も同じ言葉を口にした事が
この試合の厳しさを物語っているだろう。

第45回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会
二日目

初戦を共に白星で飾った
北海道コンサドーレ札幌U-18 VS 東京ヴェルディユース
一戦は激戦といえる試合だった。

札幌のスタメンは前節から1枚のみの変更。

初戦で得点も挙げた3佐々木奏太11千田悠貴に代わって
左サイドハーフに入りスタート。

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スタメン

GK
1逢坂文都(おうさか あやと)
DF
7菊池季汐(きくち きせき)
5西野奨太(にしの しょうた)
4川原颯斗(かわはら はやと)
14中村香紀(なかむら よしき)
MF
25小沼昭人(おぬま あきと)
8砂田匠(すなだ たくみ)
10佐藤陽成(さとう ようせい)
3佐々木奏太(ささき そうた)
FW
15漆舘拳大(うるしだて けんた)
9瀧澤暖(たきざわ だん)

序盤は札幌が前節の快勝の勢いそのままに
ゲームを優勢に進めた。

すると開始3分
右サイドバックの7菊池季汐
見事なボール奪取から、
ドリブルで持ち運びそのまま右足一閃!

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ゴラッソと呼ぶに相応しいミドルシュートで
札幌は先制に成功する。

菊池はSBながら前節に続く2試合連続弾
思い切りの良さと持ち運びの上手さが存分に表れた
菊池季汐らしい得点であった。

「個人的にファーストシュートを打った日の方が乗れる所があるので、
それを意識して打ったら入りました。いい感じに当たりました(笑)」

更に前半6分
トライアングルを作りながら
巧みにポゼッションする札幌。

そんな中、キャプテンの8砂田匠
アウトサイドでお洒落な縦パスをつけリズムを変えるとボールを受けた15漆舘拳大が1トラップから右足を振りぬく。

こちらもスーパーミドルが決まり
2-0と札幌がリードを広げる。

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「最初に2点取れたので、無理に前から行くよりも
ブロックを作った状態で焦らずに行くことができた。
超スーパーな最初の2得点は大きかったです!」

試合後に西野奨太が語ってくれたように
開始6分で叩き出した2ゴールは
チームのこの上ない活力になった。

しかし、ここから徐々に東京Vは
その底力を見せつる。

飲水タイムを挟み
ポジションや立ち位置を小まめに修正。

流動的に動くことで札幌DF陣は東京Vの
立ち位置をつかみ切れない場面が散見し始める。

特にワイドが張り出し、
数的優位を作って札幌の左サイド後方スペースを
突く攻めは脅威に。

前半27分
10佐藤陽成が接触から
コンタクトが外れてしまい?ピッチを離れる。

その戻った直後の落ち着かない
状況をしっかりと東京Vは活かし、
左サイドを攻略し、1点を返す。

その後も札幌は明確な解決策を見出しきれず
我慢の展開が続くが、
何とか前半を凌ぎ、2-1のリードで前半終了。

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ハーフタイム明け
札幌は攻撃が武器の
14中村香紀OUT
11千田悠貴IN

3佐々木を左サイドバックにスライドさせ、
11千田を左サイドハーフに。
左サイドの守備の手当てを図る。

千田2


だが、ヴェルディの5枚が
前線に張り出す強気の攻撃に
札幌DF陣の劣勢は続く。

後半10分
25小沼昭人OUT
32荒木健斗IN

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劣勢を止めた森下監督の采配

DFの混乱を止めるべく
札幌の森下監督は大胆な采配を振るう。

5枚が張り出す相手攻撃陣への
4バックでのスライドでの対応に見切りを付け、5バックに変更。

荒木をCBに入れ、
佐藤と瀧澤を両サイドハーフに配置する
5-4-1にシステム変更。

マークを明確にすることで守備の安定を図った。

「うちも混乱していたので、後半は5枚に変えて、割り切りました。
たまに練習でも5バックをやるんですよ。

相手の前線が5枚入ってきていたので、
こちらも5枚そろえて分かりやすい構図にしました。

その後、また立ち位置を変えられてましたが、
後半の終盤は少し落ち着いた感じになりましたね。」

容赦ない日差しとヴェルディ攻撃陣の上手さも相まり、体力的にはかなり厳しいゲームになった。

その後、前節に続き、1年生ストライカーの
24出間思努(いずま しど)
今大会初出場となる
2石川蒼生(いしかわ あおい)
19久保田琳太(くぼた りんた)
を投入。

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札幌は序盤の2点リードを最大限に生かし、
リードを守り切り、ゲームをクローズさせることに成功した。

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森下監督「これで相手はベストメンバーじゃないんだから…まだまだ差はありますね。
今日はたまたま2-1ですけど。

でもここで勝ち切れたのはかなり大きい。
油断しないように。
次節のマリノス戦もしっかりと臨みたいです」

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札幌は連勝でGグループ首位につける。

得失点差を考えても決勝トーナメント進出は
かなり現実的に見える状況になってきた。

次節は全国屈指の強豪
横浜Fマリノスユースと対戦する。

マリノスはここまで1勝1敗。

勝利が必須な状況で臨んでくるだけに
序盤に失点しないことが何より大事になってきそうだ。

また、マリノスには札幌のアカデミー育ち出身でもある佐藤未来也も在籍する。

この日、殊勲の先制ゴールを挙げ、
佐藤とも共にプレーした菊池季汐も
「互いに出るとなったらマッチアップなので
絶対に負けないようにします!」と意気込む。


決勝トーナメント進出を掛けた
1戦は水曜日の8時45分キックオフ!

お見逃しなく!

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本日のスタメン一口メモ

1逢坂文都(おうさか あやと)
2試合連続スタメン。札幌の守護神。
積極的なコーチングでチームを引っ張る。

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7菊池季汐(きくち きせき)
殊勲の先制ゴールに留まらず、
右サイドから幾度もチャンスを創出。
攻撃センスが光る右サイドバック。

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5西野奨太(にしの しょうた)
ライン統率・ビルドアップ・対人能力。
ユース年代では一つ上のレベルのプレーを見せ続ける。

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4川原颯斗(かわはら はやと)
CBとしては小柄(173センチ)だが、全く感じさせない。
戦えて、上手さも完備。西野とのコンビは安定感抜群。

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14中村香紀(なかむら よしき)
特別な左足を持つ。この日は守備面で苦戦も
その魅力に疑いの余地なし。

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25小沼昭人(おぬま あきと)
1年生ながら既にスタメンの常連
鋭い縦パスがしびれる。

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8砂田匠(すなだ たくみ)
チームの根幹。苦しい時間に持ち運べる強さ。
精度の高いセットプレーも併せ持つ。

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10佐藤陽成(さとう ようせい)
この日はサイドハーフと共にサイドバックも兼務。
厳しい時間帯で抜け出し、シュートを放つもバー直撃。
上位進出へのキーマン。

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3佐々木奏太(ささき そうた)
関係者曰く〝水を運ぶ男〟
つきない体力で幅広いポジションをこなすマルチロール

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15漆舘拳大(うるしだて けんた)
今、一番伸びている成長株。現在、2戦連発中。
スタメン抜擢に応え、結果を残す2年生。

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9瀧澤暖(たきざわ だん)
チームのエースはこの日もFWとサイドハーフを兼務。
身体を張って、ゴールに迫った。佐藤と共に攻撃のキープレイヤー

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全国レベルを体感する機会の少ない
今の北海道コンサドーレU18だが、
今大会はその力を存分に示してくれている。

チーム関係者も
「やはり今日のような強者の相手と対峙できる経験は非常に大きい。
今のチームは全国でも十分にやれる力があると思っている。
本当にいい経験を積んでいるよ。
今大会も勿論だけど、
そういった意味でも今年こそプレミアに戻らないといけないね。」

大会はまだまだ始まったばかり。

この貴重な舞台を1試合でも長く!上位に!

きっと、まだまだ上にいけるチームだ

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