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【観戦記】2021クラブユース選手権U18③〝トップ昇格〟を熱望するユース戦士の思い 北海道コンサドーレ札幌U18VS横浜F・マリノスユース

第45回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

グループGの第3節は横浜F・マリノスユースが
北海道コンサドーレ札幌U18を2-1で下した。

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その結果、コンサドーレ・ヴェルディ・マリノスが2勝1敗で並んだグループG。

しかし、この日の勝者のマリノスは
得失点差で予選敗退…

対するコンサドーレは
この日は敗戦を喫したものの予選突破を果たした。
(同時刻の東京ヴェルディ-アビスパ福岡の結果を受け首位通過)

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札幌の4川原颯斗
試合終了の瞬間、静まり返るピッチで
仲間を鼓舞するかのように叫ぶ
「OK!OK!OKだよ」

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そう、この強豪がひしめくグループGを
北海道コンサドーレ札幌U18
見事首位突破した。

森下監督も
「このグループで首位通過は
本当によくやってくれたと思います。」

教え子たちの奮闘に目を細める。

「せっかく来たのだから、なるべく
多くの選手を起用してやりたい。」

監督の目論見通り、
予選を2連勝でスタートさせた
札幌はこの日のスタメンを大幅に変更した。

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21マシュー・シューマッカー 

マシュー2

32荒木健斗(あらき けんと)

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2石川蒼生(いしかわ あおい)

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19久保田琳太(くぼた りんた)

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4名が今大会で初めて
スタメンに抜擢された。

中でも1年生GKの
21マシュー・シューマッカー
この日が高校年代の公式戦における
スタメンデビューとなった。

両親と同様オーストラリア国籍のマシューだが、
1歳半の頃に北海道の安平に来道。

その後、コンサドーレのアカデミー組織への
入団が決まると同時に家族と共に札幌へ移ったという。

そんな北海道で育った大型ゴールキーパーは
高校1年の現在で既に192㎝を誇る。

スローとキックはどのキーパーにも
負けない自分の武器だと思っている。」

本人の言葉通り、まだまだ粗削りながらも
そのスケール感の大きさは際立つものがある。

ボールを投げるとハーフライン近くまで放り、
キックはピッチの3/4近くまで飛ばしてしまう。

マシュー

「試合前はかなり緊張していたんですけど、
試合が始まってからは楽しくて仕方なかったです。
レベルがめちゃくちゃ高くて、難しい所もありましたけど、ちょっとずつ慣れて来て、どういう感じで対応すればいいのか分かってきました。」

そんなマシューには絶対に果たしたい野望がある。

目標はコンサドーレのトップチーム昇格

「今の目標はコンサドーレのトップでプレーすることです。
むしろ、そこしか目指してないですね。」

力強く語るマシュー。

この日は2失点を喫してしまったが、
今まで体感したことのないレベルに触れて
イキイキしている姿を見ると今後が楽しみでならない。

今日の経験を活かして、
赤黒のトップチームでも
ゴールマウスを守る未来も楽しみにしたい。

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「コンサドーレのトップチームでプレーする」

その強い気持ちを
ぎらつかせる男は他にもいる。

先日の天皇杯でプロデビューを飾った10佐藤陽成もその一人だ。

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0-1のビハインドで迎えた
この日の49分

15漆舘拳大が倒されて得たPK。

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佐藤は迷わず自らボールをセットすると
GKをあざ笑うかのような
弧を描いた軌道のキックでネットを揺らした。

「自分がPKを蹴ることは決まっていました。
練習でもあのキックはしていて、
自信もあったので、ここでやろうかなと!」

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強心臓ぶりがにじみ出るそのコメント通り
関係者の一人も佐藤の良さをこのように語る。

「一番いいなと思うところが、
ここで欲しい!という所で
結果を出せるハート
それが陽成の一番の魅力だと思う」

佐藤陽成のプレーや言動からは
その覚悟の大きさが感じられる。

きっと、彼のこれまでの歩みが
そういった決意を感じさせてくれるのだろう。

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中学2年生まで地元・稚内でプレーしていた佐藤は
中学3年生からコンサドーレU15に籍を移し
家族と離れ、寮生活をスタートさせた。

「中学3年での途中入団は異例のケースだったが、
親御さんや地元の方々ともじっくりと話し合いを重ねて快く送り出してもらった」のだという。

そしてその当時から佐藤が強く思い描いていた未来が
「コンサのトップチームに昇格し活躍する事」だ。

そんな強い思いに呼応するかのように
佐藤はすぐにチームの中心として活躍。

世代別代表にも選出された。

そして、昨年からは継続的にトップチームの練習にも参加し、徐々にそのレベルに順応していくと今年の春キャンプのプレーぶりは高く評価されたという。

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本人も周囲も高いレベルでの経験を得て、
その成長ぶりを実感している。
しかし、現在のトップチームに昇格するハードルは数年前より格段に上がっている。

どういった結論になるのかは今はわからない。

今大会のプレーぶりとその後のトップチームへの
帯同期間を経て、昇格の可否が下される見込みだ。

「今大会、このチームで優勝を目指してやっていきたいですし、
世代別代表とトップ昇格を自分の力で、もぎ取ります

そのまっすぐな眼差しで言い切る佐藤の姿を見ると応援せずにはいられない。

本人とクラブにとって、
互いにハッピーな未来になることを願っている。

頑張れ!!佐藤陽成!!!

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今回の佐藤・マシューの他にも
トップ昇格、大学進学、最後の全国大会、はじめての大舞台…

各人が様々な思いを持って、今大会に臨んでいる。

今のチームが力を出し切った!と感じられる
試合になることを願ってやまない。

次の舞台・決勝トーナメント1回戦は
VSジュビロ磐田U-18

明日の8時45分キックオフ。
ユース選手の奮闘姿をお見逃しなく


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